管理人のイエイリです。
BIM/CIMが施工段階に普及しつつある今、課題となっているのは3Dモデルを作成できる人が非常に限られていることです。
その理由は、BIM/CIMソフトの操作や点群データの扱いに専門知識や複雑な手順が必要で、ハードウエアも高性能なものが必要だからです。
そのため、普通の施工管理技術者が、3Dのわかりやすさや効率などのメリットを生かして、自分自身で施工計画などを行うのは難しいのが現状でした。
そこでコマツなどが出資するEARTHBRAIN(本社:東京都港区)は、誰でも簡単に、3Dモデルを使った施工検討や仮設設計などが行えるようにするため、「Smart Construction Design3D」を開発し、2023年6月1日にリリースしました。
その使いやすさの秘密は、
ナ、ナ、ナ、ナント、
地形の点群データ
の上から仮設道路などを直感的に3Dモデル化できる点にあるのです。(EARTHBRAINのプレスリリースはこちら)
設計の基盤となる地形データは、ドローン(無人機)や3Dレーザースキャナー、モバイル端末などで計測した3D点群データをWebブラウザーから取り込みます。
画面に表示された地図の上を、直接クリックしていくだけで、工事用仮設道路などの3Dモデルの作図ができるのです。
誰でも簡単に使える入力画面のため、BIM/CIMの高度なスキルがない一般の施工管理者も簡単に3Dモデルを作成でき、施工計画の検討に使うことができます。
立体感のある3D画面上で現場をイメージできるため、工事関係者間でスムーズな現場状況の共有が行えます。
作成した3Dモデルは、LandXML形式で出力できるため、EARTHBRAINのクラウドアプリ「Smart Construction Dashboard」に読み込んで、
施工土量の計算
が行えるほか、「Smart Construction Retrofit」などで3Dマシンガイダンス化された建機に読み込んで施工にも利用できます。
「Smart Construction Design3D」のモデリング機能は、当初は工事用仮設道路に限られていますが、今後、平場や床掘りなどの掘削計画にも拡大していく予定です。
つまり、点群データをそのまま施工計画のベースにすることで、一般の施工管理者自身で、点群計測から仮設道路などの計画、土量計算、そして施工までが行えるようになったというわけです。
これで現場のICT施工も、かなり敷居が低くなりそうですね。