管理人のイエイリです。
足場の組み立て・解体作業では、足場部材を作業員間で上下に受け渡したり、複数の作業員で取り付けたりするとき、次の人が部材をしっかりとつかんでいないのに、前の人が手を離したりすると、部材の落下など重大災害が起こってしまいます。
こうした足場作業の安全教育は、現場や現場を再現した施設に集まり、少人数で行うのが一般的でしたが、実際の部材を使って教育場所準備するのは大変でした。
この不便を解消しようと、杉孝(本社:神奈川県横浜市)と積木製作(本社:東京都墨田区)は、建設業界では初めて、
ナ、ナ、ナ、ナント、
足場作業現場をVR化
した「メタバース足場組立教育-くさび足場組立・解体作業-」という教育サービスを共同開発したのです。(杉孝のプレスリリースはこちら)
受講者はVR(バーチャルリアリティー)ゴーグルを着けると、足場の組立現場の世界に飛び込んだ感覚になります。
目の前に講師が現れ、部材を「この手すり部材をしっかりつかんでくださいね」と渡してくれます。その声も耳元のスピーカーから聞こえてきます。
受講者は両手に持ったコントローラーを使って、その部材を手でつかんだり、持ち替えて向きを変えたりと、まるで現場に建っているような感覚で「声かけ」や「次工程の確認」などコミュニケーションをとりながらの訓練が行えます。
そのとき、部材をつかんだり、放したりするタイミングを間違えると、部材は地上に落下してしまうので、緊張感もハンパではありません。
VRゴーグルは、2023年秋に発売される最新の「MetaQuest3」を使用します。パソコンと無線接続できるので、邪魔なケーブルなしで使えるのもいいですね。
これで、足場の安全教育はかなり手軽に行えるようになりましたが、さらにすごいのは、サービス名に「メタバース」と冠しているように、遠隔地にいる受講生が、この安全教育に
リモート参加
することもできるのです。
そうなると、東京にいる講師が北海道や九州などの受講生を集めて足場の組立・解体を教えることもでき、受講者もVRゴーグルがあればどこからでも参加できるので「移動のムダ」もなくなります。
杉孝では2024年からこのシステムを使った教育サービスを開始し、同時に積木製作はコンテンツの販売を開始します。建設業の残業規制が強化される「2024年問題」の解決にも、大きく寄与しそうですね。
このシステムは、2023年8月30日から9月1日の間、インテックス大阪で開催中の「JAPAN BUILD」内「建設DX展」で、杉孝のブース(6号館C 小間番号:14-1)に展示されており、VRゴーグルを着けて体験できます。ご興味のある方は、お出掛けください。
また、建設ITワールドのブース(6号館C 小間番号 16-31)でも、ドーム型スクリーンとVRによる“オモシロ展示”(2023年8月30日の記事参照)を行っていますので、あわせてどうぞ!