管理人のイエイリです。
建設プロジェクトの生産性や品質を大きく左右するものに、発注者や施主が建物などの設計内容にゴーサインを出す「設計承認」があります。
プロジェクトの初期段階で、早めに設計承認が行われ、変更がなければ工事はスムーズに進みます。一方、工事が始まってから変更が多発すると、手戻りなどで工期、工費にも大きな影響を与えます。
そこで大成建設は、日立コンサルティング(本社:東京都千代田区)、GlobalLogic Japan(本社:東京都千代田区)、日立社会情報サービス(本社:東京都品川区)と共同で、「建設承認メタバース」(略称:C2QUEST)の開発に着手しました。
そのイメージ動画からうかがえるメタバースの内容は、お堅い建設用システムとは違い、画面のデザインやゲームコントローラー、建物内を車いすで動き回るなど、ゲームを楽しむような感じです。
その内容は、意匠、構造、設備が一体化したBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を使って、
ナ、ナ、ナ、ナント、
建物全体をチェック
しながら、各部の設計承認をもらうという仕組みなのです。(大成建設のプレスリリースはこちら)
これまでの設計承認は、意匠、構造、設備の図面やCGパースなどを使って説明や承認が行われてきましたが、意匠デザインの変更が構造や設備に影響を与えたり、CGパースも画角が限られているため“死角”があったりと、完全に確認できない部分もありました。
その点、BIMモデルをベースとしたメタバースだと、意匠の変更によって構造、設備の設計変更が必要なこともすぐわかり、建物内外装も360度、死角なく確認したうえで設計承認が行えます。
BIMモデルの各部分は、それぞれ「契約図」にひもづいており、メタバース上で承認すると、その日付によって図面に承認がもらえたことになります。
承認時の議事録も自動作成され、BIMモデルにひもづけられるので「言った、言わない」といった論争もなくなりそうですね。
つまり、BIMモデル上で
“バーチャル竣工”
した建物を見ながらの設計承認なのです。
着工前でも、完成後の建物に行った感じで設計承認が行えるので、施主が安心できるだけでなく、施工側もフロントローディング効果で、施工の生産性向上や働き方改革にもつながりそうですね。