管理人のイエイリです。
鹿島は2018年に建築の生産プロセスを変革する「鹿島スマート生産ビジョン」を発表しました。
「作業の半分はロボットと」「管理の半分は遠隔で」「全てのプロセスをデジタルに」というコンセプトは、生産性向上や働き方改革を実現するために、今やすべての建設業に求められているといっても過言ではありません。
当時のプレスリリースには、未来の現場のイメージ動画が掲載されており、その中に「自動墨出しロボット」が登場します。
それを実現した墨出しロボットがこのほど、完成しました。
そのネーミングは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
「ロボプリン」
と、とてもかわいらしいのです。(鹿島のプレスリリースはこちら)
建設用ロボットと言えば、ごつごつした大型のものを想像してしまいますが、この「ロボプリン」はスタイリッシュなデザインで、直径350mm、重さ15kg程度と小型軽量なので、手軽に持ち運べます。
本体と付属品一式を収める専用のキャリーケースも用意されており、現場間や階をまたぐ移動も簡単です。
墨出し作業の準備は、施工図データをスマートフォンやタブレットなどでロボプリンに転送し、基準点に自動追尾式トータルステーションを設置するだけです。利用開始までの時間は約10分しかかかりません。
スタート後は全自動で墨出し作業を行い、±1mm以内の高精度で、実寸大の連続線や文字を床面にプリントできます。
機構上の大きな特徴は、全方位移動型車輪
「オムニホイール」を採用
したことです。
これまでの墨出しロボットは、現場に停止してXYプロッターのように描画するタイプが主流でしたが、ロボプリンは移動しながら矩形線などを描くことができます。
「作業の半分はロボットと」というコンセプトのように、墨出し工がロボプリンと協働することで、墨出し作業の生産性は約2倍に上がるそうです。
「ロボプリン」というネーミングのほか、製品ロゴや本体のデザイン、動作機構などには、他に類を見ない、開発者の徹底したこだわりが感じられます。
この“超ヘンタイ”(=最上級のほめ言葉)な仕様が満載の「ロボプリン」は、本日(2023年9月27日)と明日、東京国際フォーラムで開催される「日経クロステックNEXT東京 2023」の特別展示「建設RX(ロボティクストランスフォーメーション)」コーナーで展示されます。
また同コーナーの特設ステージでは、各日16時15分ごろより「“ヘン”“タイ”ベストロボット大集合」(27日)、「ロボット開発こぼれ話」(28日)のセッションが開催され、ロボプリンをはじめ“超ヘンタイ”な建設ロボットの数々が紹介されます。(詳しくは建設ITワールドからのお知らせを参照)
建設業界の方はもちろん、他業界の方も楽しめますので、ぜひお越しください。