管理人のイエイリです。
iPhoneやiPadの上位機種に搭載されたLiDARという3Dスキャナー機能を使って、現場を点群データ化するアプリは数々ありますが、その後のBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)モデルや図面の作成には、手間ひまがかかります。
そこでスターツアセットマネジメント(本社:東京都中央区)は、LiDARを使って賃貸不動産物件の入居者の退去修繕・リフォーム業務を簡単かつスピーディーに行えるクラウドBIMサービス「Re:BIM」を開発し、このほどリリースしました。
このサービスは、LiDAR搭載の第3世代以降のiPad PROに対応したものです。
独自開発のLiDARアプリにより、既存建物の室内を点群データ化するのではなく、
ナ、ナ、ナ、ナント、
スキャン中に簡易BIM
モデルをどんどん作っていってしまうのです。(スターツグループのプレスリリースはこちら)
スキャン中、建具や家具などがあるとアプリが自動的に「開口部」や「システムキッチン」などを認識して3Dモデル化していきます。
その3Dモデルにクラウド上で部屋名や建具の種類、仕上げ材などの属性情報を追加していきます。CADのような編集も行えるほか、梁を自動発生させることも可能です。
各部屋のBIMモデルは、クラウド上で一つの住戸モデルとしてまとめることができ、仕上げ面積や部材数量を計算できます。計測誤差は3%以内なのでかなり正確な見積もりが作れます。
さらに現場写真や修繕履歴などをBIMモデルとひもづけて記録することもできます。
驚くべきはそのスピード感です。従来のワークフローだと現場調査、現況図作成、見積もり作成まで、複数人で1週間程度かかっていましたが、Re:BIMの活用で、
30分程度に短縮
できることが確認されました。
これにより、退去修繕とリフォームに関する一連の業務時間は、従来に比べて約63%の削減が期待できるとのことです。
一度、作った簡易BIMモデルはクラウド上で地図情報と関連付けて保管でき、その次のリフォームでも活用できます。
このサービスは、国土交通省の「令和4年度 住宅生産技術イノベーション促進事業」に採択され、補助金を受けて開発されたものです。
リフォームでは現況図の作成が大きな負担となりますが、iPadのLiDARによってその部分が大幅に省力化されたのがこのサービスのポイントと言えるでしょう。