デジタル野帳「eYACHO」にBIM活用を搭載! 3D図面での効率的な施工管理で、残業をさらに削減へ
2023年10月30日

管理人のイエイリです。

MetaMoJi(本社:東京都港区)が開発・販売するデジタル野帳システム「eYACHO」は、従来、紙の野帳に手書きで行っていた現場情報の記録を、タブレットやスマートフォンで行えるようにしたものです。

携帯端末の強みを生かし、文書や表計算データ、CAD図面はもちろん、電子小黒板付きの現場写真撮影や音声・録画データの張り付け、クラウドでのデータ共有やオンライン会議、さらには計測機器との連携など、幅広い機能を搭載しています。

そのため、これまで残業して行っていた、施工管理関係の様々な業務を、昼間の作業内で自動化することができ、“現場での残業を劇的に削減するツール”としても人気を集めています。

デジタル野帳システム「eYACHO」の機能イメージ。様々な施工管理情報をタブレットやスマホで一元管理できる(資料:MetaMoJi)

デジタル野帳システム「eYACHO」の機能イメージ。様々な施工管理情報をタブレットやスマホで一元管理できる(資料:MetaMoJi)

その法人版である「eYACHO for Business」に、

ナ、ナ、ナ、ナント、

BIM活用機能を搭載

し、2024年度の発売を目指していることが明らかになったのです。(MetaMoJiのプレスリリースはこちら

「eYACHO for Business」に搭載されるBIM活用機能のイメージ(資料:MetaMoJi)

「eYACHO for Business」に搭載されるBIM活用機能のイメージ(資料:MetaMoJi)

BIM活用機能のポイントは大きく3つあり、(1)BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)データをタブレットなどで高速閲覧すること、(2)3Dモデル内に設置したピンと検査記録を紐づけすること、(3)3Dモデルを活用した遠隔指示や作業調整を行うことです。

これまでBIMモデルを現場で活用するためには専用ソフトや高速回線を必要としてきましたが、eYACHOではBIMモデルを高速閲覧できるブラウジング技術を採用し、専用ソフトもインストールする必要がありません。

もとのBIMデータは今のところ「IFC形式」を使っていますが、今後、BIMソフトのネーティブデータに対応する可能性もありそうです。

また建物を立体的に表示できる3Dモデルの強みを生かして、2D図面ではわかりづらかった干渉部分の発見や、建物内の位置の指示が行いやすくなり、検査や作業の正確性も高まります。

eYACHO for Businessの画面上に表示されたBIMモデル。仕上げ検査帳票や工事写真などとリンクする様々なピンが設置されている(資料:MetaMoJi)

eYACHO for Businessの画面上に表示されたBIMモデル。仕上げ検査帳票や工事写真などとリンクする様々なピンが設置されている(資料:MetaMoJi)

ピンを指でタップする(資料:MetaMoJi)

ピンを指でタップする(資料:MetaMoJi)

すると該当する場所の工事写真が表示され、さらに点検・検査記録表にリンクして見ることができる(資料:MetaMoJi)

すると該当する場所の工事写真が表示され、さらに点検・検査記録表にリンクして見ることができる(資料:MetaMoJi)

BIMモデルやピンは点検・検査用の帳票に埋め込み、書類作成を自動化できる(資料:MetaMoJi)

施工管理業務で使われているeYACHOがBIMに対応することで、施工現場関係者も

新たなBIMユーザー

となり、その便利さに初めて気づく人も出てくるでしょう。

そうなると、設計事務所や本社の技術部門などに対して、現場からのBIMモデルを作成してほしいという“逆ニーズ”が増えてくるかもしれませんね。

BIM活用機能がお披露目された展示会イベント、「ArchiFuture 2023」のMetaMoJiブース(写真:家入龍太)

BIM活用機能がお披露目された展示会イベント、「ArchiFuture 2023」のMetaMoJiブース(写真:家入龍太)

話は変わりますが、クラウド型施工管理システムでBIMモデルを活用する例としては、既にフォトラクションの「Photoruction」(2021年5月21日の記事参照)、アンドパッドの「ANDPAD」(2023年8月1日の記事参照)、スパイダープラスの「SPIDERPLUS(2023年8月21日の記事参照)もあります。

「Photoruction」でBIMモデルを表示した例(資料:フォトラクション)

「Photoruction」でBIMモデルを表示した例(資料:フォトラクション)

「ANDPAD」でBIMモデルを表示した例(資料:アンドパッド)

「ANDPAD」でBIMモデルを表示した例(資料:アンドパッド)

「SPIDERPLUS」でBIMモデルを表示した例(資料:スパイダープラス)

「SPIDERPLUS」でBIMモデルを表示した例(資料:スパイダープラス)

これら3つのBIM対応システムは、国土交通省が2023年度に実施している「建築BIM加速化事業」の補助対象ソフトウェアに入っています。

同事業の予算執行状況は、2023年10月20日時点での交付申請額ベースで56.4%となっています。まだまだ余裕がありますので、この機会に施工管理でのBIM活用を始めようという会社は、検討してみてはいかがでしょうか。

建築BIM加速化事業のウェブサイトに表示された2023年10月20日時点での交付申請額(資料:建築BIM加速化事業実施支援室)

建築BIM加速化事業のウェブサイトに表示された2023年10月20日時点での交付申請額(資料:建築BIM加速化事業実施支援室)

(Visited 1 times, 1 visits today)

Translate »