管理人のイエイリです。
MetaMoJi(本社:東京都港区)が開発・販売するデジタル野帳システム「eYACHO」は、従来、紙の野帳に手書きで行っていた現場情報の記録を、タブレットやスマートフォンで行えるようにしたものです。
携帯端末の強みを生かし、文書や表計算データ、CAD図面はもちろん、電子小黒板付きの現場写真撮影や音声・録画データの張り付け、クラウドでのデータ共有やオンライン会議、さらには計測機器との連携など、幅広い機能を搭載しています。
そのため、これまで残業して行っていた、施工管理関係の様々な業務を、昼間の作業内で自動化することができ、“現場での残業を劇的に削減するツール”としても人気を集めています。
その法人版である「eYACHO for Business」に、
ナ、ナ、ナ、ナント、
BIM活用機能を搭載
し、2024年度の発売を目指していることが明らかになったのです。(MetaMoJiのプレスリリースはこちら)
BIM活用機能のポイントは大きく3つあり、(1)BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)データをタブレットなどで高速閲覧すること、(2)3Dモデル内に設置したピンと検査記録を紐づけすること、(3)3Dモデルを活用した遠隔指示や作業調整を行うことです。
これまでBIMモデルを現場で活用するためには専用ソフトや高速回線を必要としてきましたが、eYACHOではBIMモデルを高速閲覧できるブラウジング技術を採用し、専用ソフトもインストールする必要がありません。
もとのBIMデータは今のところ「IFC形式」を使っていますが、今後、BIMソフトのネーティブデータに対応する可能性もありそうです。
また建物を立体的に表示できる3Dモデルの強みを生かして、2D図面ではわかりづらかった干渉部分の発見や、建物内の位置の指示が行いやすくなり、検査や作業の正確性も高まります。
施工管理業務で使われているeYACHOがBIMに対応することで、施工現場関係者も
新たなBIMユーザー
となり、その便利さに初めて気づく人も出てくるでしょう。
そうなると、設計事務所や本社の技術部門などに対して、現場からのBIMモデルを作成してほしいという“逆ニーズ”が増えてくるかもしれませんね。
話は変わりますが、クラウド型施工管理システムでBIMモデルを活用する例としては、既にフォトラクションの「Photoruction」(2021年5月21日の記事参照)、アンドパッドの「ANDPAD」(2023年8月1日の記事参照)、スパイダープラスの「SPIDERPLUS」(2023年8月21日の記事参照)もあります。
これら3つのBIM対応システムは、国土交通省が2023年度に実施している「建築BIM加速化事業」の補助対象ソフトウェアに入っています。
同事業の予算執行状況は、2023年10月20日時点での交付申請額ベースで56.4%となっています。まだまだ余裕がありますので、この機会に施工管理でのBIM活用を始めようという会社は、検討してみてはいかがでしょうか。