管理人のイエイリです。
工事の遅れが心配される大阪・関西万博ですが、ニュース映像を見ると、現場では少しずつ建物や構造物が建ち始めているようです。
一方、2024年からは建設業への時間外労働の上限規制が強化されるので働き方改革が求められ、年々、暑くなる夏場の熱中症対策もますます重要になります。
そんな中、2023年11月に竹中工務店の現場に、キャンピングカーのような車両が登場しました。
この車両は現場の生産性向上と執務環境の改善のために試験導入された「けん引式オフグリッド型モバイルハウス」というもので、
ナ、ナ、ナ、ナント、
独立した電源、通信機能
持ち、現場事務所として機能するのです。(竹中工務店のプレスリリースはこちら)
電気や通信インフラがない場所でも、快適な現場事務所として使えるように開発されました。
電源設備としては屋根に取り付けたソーラーパネルと蓄電池、制御機器が搭載されており、モバイルハウス内の空調機器や事務機器に電気を供給します。
通信設備には衛星インターネット回線「スターリンク」が搭載されているので、携帯回線が届かない地域でも安心です。
なお、「オフグリッド型」という意味は、電源、通信、移動の3つの要素が、既存のインフラから切り離されていることです。
モバイルハウスのベース車両には、クロコアートファクトリーの「Roomette Long」を使用し、自立電源システムは、日立ハイテクの協力で導入されました。
公道を走行するときは、他の車両にけん引してもらって移動することができます。車体は軽量なFRP(繊維強化プラスチック)製で、総重量が750kg以下のためけん引免許は必要ありません。
一方、現場内を移動するときには、「ムーバー」という駆動装置が搭載されているので、けん引車両がなくても、
ラジコンカーのように
前後・左右にゆっくりと移動させることができます。
ムーバーとは、キャンピングカーなどの左右のタイヤに、電動ローラーを押し付けて動かす装置です。駐車場が傾斜しているときや、けん引車両と連結させるときの位置調整などに使われます。
竹中工務店ではこのモバイルハウスを、建設工事における生産性向上や執務環境の改善に貢献する取り組みとして位置づけ、効果を検証した後、移動式工事事務所や熱中症対策用の休憩室として展開する予定です。
こんな現場事務所があれば、インフラがない現場でも、夏場には空調のきいた中でSNSを楽しみながら休憩するといった、快適な現場ライフが過ごせそうですね。