NTT、NECらが埋設光ファイバーとAIで路面積雪を判断! 世界初の実験成功で“除雪DX”を後押し
2023年11月13日

管理人のイエイリです。

これからいよいよ冬を迎え、豪雪地帯ではタイムリーな道路の除雪作業が欠かせないシーズンになります。

道路除雪作業は、主に深夜の時間帯に行われます。効果的な除雪を行うため、調査員が市街パトロールを行って積雪量や降雪予測、そして経験によって除雪が必要かどうかを日々、判断しています。

しかし、地方の人口減少と高齢化により、除雪判断を行う除雪オペレーターは不足してきました。

そこで日本電信電話(NTT)東日本電信電話(NTT東日本)日本電気(NEC)は共同で、路面下に埋設済みの通信用光ファイバーによって、路面の積雪状況や除雪判断が行えるAI(人工知能)システムを開発しました。

地下の光ファイバーで

ナ、ナ、ナ、ナント、

車両による振動を検知

し、車両速度や振動周波数を手がかりに除雪判断するのです。(NECのプレスリリースはこちら

通信用光ファイバーを振動センサーとして活用し、除雪判断を行う仕組み(以下の資料:NTT、NTT東日本、NEC)

通信用光ファイバーを振動センサーとして活用し、除雪判断を行う仕組み(以下の資料:NTT、NTT東日本、NEC)

道路を通行する車両の振動は、路面下に埋設された光ファイバーケーブルにも伝わります。

その振動を「光ファイバー振動センシング技術」によって収集・解析することで、走行する車両の速度やタイヤによる振動周波数特性の変化を検知し、積雪状態の把握や除雪判断を遠隔で行えます。

3社はこの技術を使って、青森市内の道路地下に埋設されている通信用光ファイバーにセンシング装置を接続して、3つの除雪工区内にある市道の交通振動を2022年11月から2023年3月まで計測しました。

その交通振動データから車速情報と、積雪による振動周波数変化の統計データを取得し、これらでAIの機械学習を行い、除雪の要否を判断するモデルを構築、精度を評価したのです。

その結果、複数の除雪工区内における除雪判断を行うことに成功しました。

光ファイバーによる振動測定データに基づいて、除雪要否を判定するモデルの構築手順

光ファイバーによる振動測定データに基づいて、除雪要否を判定するモデルの構築手順

3社によると通信用光ファイバーを使った道路の除雪判断は、

世界初の成功

とのことです。

通信用光ファイバーは既に道路下に張り巡らされており、対候性に優れるメンテナンスフリーのセンサーとして使えます。

このシステムにより、調査員の経験と勘に頼らず、道路ごとにリアルタイムに除雪判断が可能になります。豪雪地帯でタイムリーな除雪作業を行うために、心強い助っ人となりそうですね。

●各社の役割

NTT センシングデータの解析、機械学習による除雪判定方法の提案・実証
NTT東日本 路面状況の観測および実証実験に用いる設備の選定・提供
NEC 光ファイバーセンシング測定の実施、車速計算アルゴリズムの構築・提供

この技術は2023年11月14日~17日に、NTT武蔵野研究開発センタで開催される「NTT R&D FORUM 2023 ― IOWN ACCELERATION」に出展されます。NTTグループ社員からの完全招待制ですが、興味がある人はNTTグループのお知り合いに頼んでみてはいかがでしょうか。

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