JR西日本が3Dプリンターで世界初の駅舎建設! 終電から始発までの約6時間で躯体を完成
2025年3月13日

管理人のイエイリです。

西日本旅客鉄道(JR西日本)では、老朽化した木造駅舎などの建て替えが課題となっています。

最近は建設費の高騰や労働力不足の影響があるのでコスト削減とともに、毎日一般乗客が使う施設なので工事期間もできるだけ短い方が理想的です。

そんな中、JR紀勢本線の初島駅(和歌山県有田市)の駅舎が建て替えられることになりました。

建て替え後の初島駅のイメージ。意匠設計はヌーブ一級建築士事務所の太田浩史氏と西日本旅客鉄道株式会社大阪一級建築士事務所、構造設計はKAP一級建築士事務所と西日本旅客鉄道株式会社大阪一級建築士事務所が担当した(資料:JR西日本)

建て替え後の初島駅のイメージ。意匠設計はヌーブ一級建築士事務所の太田浩史氏と西日本旅客鉄道株式会社大阪一級建築士事務所、構造設計はKAP一級建築士事務所と西日本旅客鉄道株式会社大阪一級建築士事務所が担当した(資料:JR西日本)

新しい駅舎は高さ2.6m、幅6.3m、奥行き2.1mで、面積10平方メートル弱のコンパクトな鉄筋コンクリート造の建物です。

コストや工期に配慮して、この建物は、

ナ、ナ、ナ、ナント、

3Dプリンターで建設

されることになったのです。(JR西日本のプレスリリースはこちら

この建設プロジェクトは、JR西日本のほかJR西日本イノベーションズ(本社:大阪市北区)、セレンディクス(本社:兵庫県西宮市)が検討を進めてきたものです。

建設の手順はまず、建物の基礎部分や躯体のパーツを、最新の3Dプリンター技術で造形します。

そしてパーツの空洞部に鉄筋やコンクリートをセットし、現場でクレーンを使ってパーツを組み上げて完成させます。

セレンディクスの3Dプリンターの例(写真:セレンディクス)

セレンディクスの3Dプリンターの例(写真:セレンディクス)

クレーンでパーツを組み立てる作業のイメージ(写真:セレンディクス)

クレーンでパーツを組み立てる作業のイメージ(写真:セレンディクス)

3Dプリンターを使うため造形の自由度が高く、駅舎の壁には有田市の名産「みかん」や「タチウオ」の装飾を施します。

驚くべきは、現場での作業スピードです。施工当日は、終電から始発までの

約6時間で躯体を完成

させることを想定しています。

3Dプリンターを使った駅舎建設は世界で初めてとのことです。

鉄筋コンクリート造なので耐久性や耐食性に優れ、型枠を使わないので低コスト・短工期、そしてデザイン面での自由度が高いと、“三拍子”そろった3Dプリンター技術は、老朽化した駅舎の建て替え方法として有望ですね。

JR西日本は建設や維持管理にかかるコスト効果を検証するとともに、他の駅への水平展開も検討していく方針です。

(Visited 1 times, 68 visits today)

Translate »