管理人のイエイリです。
国産BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフト「GLOOBE」の最新版となる「GLOOBE 2018」が、2017年9月20日に福井コンピュータアーキテクトから発売されることになりました。
今回のバージョンアップの目玉とも言えるのが、GLOOBEで作ったBIMモデルを「GLOOBE Model Viewer」という無料のビューワーソフトで見られるようになったことです。
建物の外観や内装はもちろん、天井裏や壁裏にある配管などを3Dモデルで表示できるほか、
ナ、ナ、ナ、ナント、
交換時期などの属性情報
も見られるのです。
GLOOBEで作った建物のBIMモデルを「GLOOBE Model Viewer出力」というオプションソフトでビューワー用に書き出し、「GLOOBE
Model Viewer」という無料のビューワーソフトで見るのです。
これを維持管理段階のFM(ファシリティーマネジメント)業務で使うと、GLOOBEを持っていないメンテナンス会社は、FM作業時に建物の機器のメーカー名や型番、交換時期などを3Dで見ることができます。
BIMの見える化力が、維持管理段階までさらに拡張されたというわけですね。
GLOOBE 2018ではこのほか、木材のプレカット工場用のCADで作成した木造構造図を「CEDXM(シーデクセマ)」形式で読み込む機能や、現況写真とBIMモデルをレンダリングで合成する「フォトモンタージュ」機能が追加されました。
細かいところでは、BIMモデル内で繰り返し使われる要素をまとめてモジュール化し、他の階で使い回せる「ユニット」機能や、複数のモデルを並べて比較検討し、修正指示などが行える「デザイン比較」機能なども盛り込まれています。
GLOOBE 2018では、バーチャルリアリティー(VR)機能も拡張されました。同時にリリースされる「GLOOBE VR Ver2.0」というソフトと、ヘッドマウントディスプレーを使うことにより、
動かせるVR
で設計の確認やプレゼンテーションなどが行えるのです。
例えば、建物の窓やドアを開け閉めしたり、クレーンなどの建機を可動範囲で操作したりして、現実空間のようにシミュレーションできます。
また、朝、昼、夜と場面を切り替えたり、VR空間の中で素材を入れ替えたりして簡単なカラーシミュレーションも行えます。
屋上や足場の上に立ったイメージでは、高さもリアルに再現できるので、直感的な安全対策や安全教育にも役立ちます。このほか、両手に持つコントローラーがBIMモデルの形状通りに振動して、形状の把握もできます。
ヘッドマウントディスプレーは、「Oculus Rift」、「HTC Vive」の両方に対応しています。
気になるお値段ですが、各ソフトとも使用期間に応じた利用料金制になっています。「GLOOBE 2018」が年間14万4000円(税別。以下同じ)。「GLOOBE
Model Viewer 出力」が同4万8000円、「GLOOBE VR Ver2.0」が同42万円です。
BIMソフトも、維持管理段階へのライフサイクル的な垂直連携や、VRなどの他システムとの水平連携で、今後もますます進化していきそうですね。