管理人のイエイリです。
年度末が迫る2021年3月29日、国土交通省 新潟国道事務所が発注した「阿賀野バイパス15工区改良その2工事」の現場で、竣工検査が行われました。
発注者の指示に従って、構造物の各部分が設計通りの寸法で出来上がっているかどうかをチェックするものですが、現場では受注者である小柳建設(本社:新潟県三条市)の現場担当者が2カ所にいるだけで、発注者や現場代理人らしき人の姿は見られません。
それもそのはず、発注者の検査官や監督官、監理技術者などは、それぞれの事務所にいながら、
ナ、ナ、ナ、ナント、
HoloLens2で遠隔臨場
によって竣工検査を行っていたのです。(小柳建設のプレスリリースはこちら)
HoloLens2とはもちろん、マイクロソフトが開発・販売するMR(複合現実)ゴーグルです。現実のオフィス空間に、構造物の3Dモデルや説明資料などが、まるで目の前にあるかのように立体的に見えるのです。
そして、最近よく聞かれる「遠隔臨場」とは、発注者による現場の立会検査を“テレワーク”で行うものです。
要するに、コロナ禍でおなじみとなったオンライン会議が工事現場の最前線まで拡張され、共有する資料が立体的に見える3Dモデルに進化したスタイルで、竣工検査が行われたというわけです。
この遠隔臨場による竣工検査を実現するため、3Dモデルなどを使ったHoloLens2による工事概要の説明には、小柳建設が開発したMR対応のクラウドシステム
Holostruction
を使ったほか、書類検査にはオンライン会議システム「Microsoft Teams」、現場での確認作業にはスマートフォンやウェアラブルカメラを使いました。
遠隔臨場のよいところは、なんといっても発注者の担当官が、自分の事務所から遠く離れた現場まで出向かなくてもいいことです。そのため、「移動のムダ」が削減でき、1日にいくつもの現場を検査することも可能です。
MRによる遠隔臨場が実験段階を経て、実構造物の竣工検査にまで活用されたことは、働き方改革の大きな一歩となりそうですね。
HoloLens2でどんなことができるのかについて、動画で見たい方は、小柳建設がYouTubeで公開している下記のデモ動画をご覧ください。