管理人のイエイリです。
長引く景気低迷により、住宅業界の経営は厳しくなっています。中小の工務店やビルダーは、大手ハウスメーカーやパワービルダーに対抗するため、業務効率の向上やコスト削減、サービス向上などの対抗策が必要です。
これらの経営課題を解決するのに、ITは有効なツールですが1社だけでサーバーを立ち上げ、システムを運用していくのは膨大なコストと手間がかかります。
そこで、日立システムズ、住宅ソリューションズ、KSKの3社は共同で、昨日(2/20)から住宅ビルダー向け統合管理サービス「住宅マネージャー on SaaS」を開始しました。
ナ、ナ、ナ、ナント、
工務店業務をクラウド化
したシステムなのです。
「住宅マネージャー on SaaS」のシステム構成(資料:住宅ソリューションズ) |
「顧客管理パック」、「発注・業者パック」、「統合パック」という3つの機能パックで構成されている(資料:住宅ソリューションズ) |
KSKが1997年に発売した基幹業務システム「住宅マネージャー」がベースになっており、見積もり・受注から生産・出荷、工事後の定期点検などアフター管理までの住宅建設業務をサポートします。データを一元管理できるため、漏れや重複を排除し、業務効率の向上が図れます。
「住宅マネージャー on SaaS」は顧客管理を基本に、「顧客管理パック」、「発注・業者パック」、「統合パック」という3つの機能パックで構成されています。必要なものだけを選んで月額料金で利用できるので、投資額を抑えられます。
ユーザーはインターネットに接続されたパソコンさえあれば使えるので、サーバーなどを個別に導入する必要はありません。
導入したい場合は申し込み後、操作教育を含めて2週間程度で、すぐに自社のパソコンで利用を始められます。5ユーザーから用意されており、既存システムのデータ移行や個別操作教育、データ入力代行サービスなどのオプションサービスもあります。
顧客管理の画面と機能(資料:住宅ソリューションズ) |
システム概念図(資料:日立システムズ) |
販売は、住宅業界に幅広い販路をもつ住宅ソリューションズが主に担当しますが、面白い販売チャンネルも活用します。それは日立システムズが運営するオープンクラウドマーケットプレース「MINONARUKI」で、
クラウドをクラウドで売る
販売システムなのです。
「MINONARUKI」のウェブサイト(資料:日立システムズ) |
これまでのように、施主に関するデータが担当社員のパソコンの中だけに保存されていると、二重管理で情報が分散するほか、個人情報の紛失や業務内容の認識の不統一によるクレームにつながる恐れもあります。
顧客情報を全社員で共有することは、中小工務店やビルダーの競争力向上の第一歩と言えるかもしれませんね。クラウドサービスは、その有効なツールになりそうです。