管理人のイエイリです。
プレキャストコンクリート(PCa)部材の管理といえば、製造から出荷、現場搬入までを通じて、どの部材がどこで使われたかを正確に把握する「トレーサビリティー」が鍵となります。
これまでは部材にRFIDタグを貼り付けて管理していましたが、製造工程での張り忘れやはがれ、施工時の破損といったリスクもありました。
こうした課題を背景に、三井住友建設は2023年、RFIDタグをスペーサー(鉄筋と型枠の間隔を保つ部材)と一体化した「RFIDタグ一体型スペーサー」を開発しました。
しかし、デリケートな電子部品がむき出しのように見えるので、コンクリート打設時にバイブレーターで締め固めるときには、「壊してしまわないか」と不安を感じそうですね。
そこで同社は、
ナ、ナ、ナ、ナント、
RFIDをコンクリ巻き
にしてしまうという、大胆な発想の新型スペーサーを開発したのです。(三井住友建設のプレスリリースはこちら)
この新型スペーサーは、RFIDチップを完全にコンクリートで包み込んで保護したものです。PCa部材と同じ素材で一体化しているため、部材との親和性が高く、施工時の衝撃や水分、保管時の積載荷重にも耐えられます。
さらに、UHF帯域のRFタグを最適にチューニングすることで、コンクリートに埋め込まれた状態でも約1mの通信距離を確保し、施工現場でのスムーズな読み取りが可能になりました。
さらに特筆すべきは、コーティングするコンクリートの強度(~90N/mm²)やかぶり厚さを
オーダーメイドで指定
できる点です。
用途や構造物の条件に応じて、コンクリの仕様を柔軟に変えられるのは、建設会社らしい技術ですね。
これまで電子部品の保護といえば、プラスチックやゴム、金属で覆うのが常識でした。しかし、「コンクリートで巻く」という発想は極めてユニークで、「新結合」「イノベーション」といっても過言ではありません。
この“コンクリ巻き”の技術が確立されたことで、今後はセンサーや通信モジュールなど、さまざまな電子部品をコンクリート構造物と一体化する道が開けそうです。




















