i-Constructionに対応!17年目迎えたVRソフト「UC-win/Road」がまた進化
2016年6月30日

管理人のイエイリです。

世間では2016年は“VR元年”と言われていますが、フォーラムエイトの3Dバーチャルリアリティー(VR)ソフト「UC-win/Road」が発売されたのは、はるか昔の2000年です。今年で17年目を迎えました。

当初は道路を中心とした土木・建築用の3D設計ソフトという性格が強かったのですが、自動車やロボットなど様々な分野で現実の世界をコンピューター上でリアルに再現し、調査・研究や設計、訓練などに使える汎用的なVRソフトとして進化しつつあります。

3Dバーチャルリアリティーソフト「UC-win/Road」(以下の資料:フォーラムエイト)

3Dバーチャルリアリティーソフト「UC-win/Road」(以下の資料:フォーラムエイト)

このUC-win/Roadがこのほど、最新版の「Ver.11」に進化しました。その特徴は、現実の建物や機械との連携が強化されたことです。

例えば、国土交通省が推進する「i-Construction」に対応した機能としては、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

ドローンの自動飛行計画

 

が行える「UAVプラグイン」が追加されたのです。

ドローンの自動飛行計画を行う「UAVプラグイン」

ドローンの自動飛行計画を行う「UAVプラグイン」

また、道路地図などのオープンな地理情報データ規格「OpenStreetMap(オープンストリートマップ)」のデータを読み込める機能も追加されました。

OpenStreetMapとは、フリーの地理情報データを作成することを目的とした3D地図規格で、誰もが自由に参加して地図を作成・編集できるものです。

道路やトンネル、橋梁にも対応していますので、今後、土木・建築分野での利用も広がっていきそうですね。

OpenStreetMap対応の道路地図をUC-win/Roadに読み込む機能

OpenStreetMap対応の道路地図をUC-win/Roadに読み込む機能

このほか、現実の世界を取り込む機能としては、様々な角度から撮影した写真を解析して建物などの点群データや3Dモデルを自動的に作り、バーチャルリアリティー空間に表示することも可能になりました。

写真から点群や3Dモデルを作成する機能も搭載された

写真から点群や3Dモデルを作成する機能も搭載された

UC-win/Roadが現実の世界をリアルに再現できる機能としては、ドライビング・シミュレーターとの連携機能があります。

通常のドライビング・シミュレーターは運転席の窓の部分にモニターを数台、配置して外の道路や景色を見ながら運転するようになっています。

UC-win/Road対応の一般的なドライブシミュレーター

UC-win/Road対応の一般的なドライブシミュレーター

しかし、本格的なものになるとクルマの周囲に大型スクリーンを設け、その裏から複数のプロジェクターで高画質の景色を投影して見せるものもあります。

本格的な大型4K5面立体視ドライビング・シミュレーター。名古屋大学に納入されたもの

本格的な大型4K5面立体視ドライビング・シミュレーター。名古屋大学に納入されたもの

この規模のドライビング・シミュレーター用に、運転席に座っているドライバーの顔や目の位置に対応して、

 

映像の位置を微妙に修正

 

できる、視体積の計算・描画のヘッドトラッキング機能も搭載されました。

さらに、湖などの水面に反射する景色をリアルタイムで表現したり、時刻によって変わる空模様を自動生成したりする「高精度レンダリング機能」なども追加されました。

水面に映る景色や時刻によって変わる空模様をリアルに表現する「高輝度レンダリング機能」

水面に映る景色や時刻によって変わる空模様をリアルに表現する「高輝度レンダリング機能」

次バージョンの「Ver.12」では、研究用ドライビング・シミュレーターや自動運転研究用の機能などを引き続き強化していくとのことです。

UC-win/Roadの強みは、ただ映像をリアルにするだけでなく、データの裏付けがある理論的なシミュレーションをもとにVR化できることにあります。さすが、“老舗VRソフト”は中身が違いますね。

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