管理人のイエイリです。
地形や建物などの3D形状を高精度で計測する3Dレーザースキャナーは、いろいろな分野で使われています。ただ、問題は水中の地形などを計測する時でした。
水中用の特殊な3Dスキャナーを使ったり、ソナーを取り付けた測量船を使ったりする方法はありましたが、測量船が入れない浅瀬や岩礁エリアなどは計測が難しかったのです。
そこでパスコは国内の民間企業としては初めて航空レーザー測深機(ALB:Airborne Laser Bathymetry)(PDFリリース)を導入しました。
水中の河床や水深の浅い海底地形を
ナ、ナ、ナ、ナント、
空から3Dレーザー計測
できるのです。
この航空レーザー測深機は、陸上部と水面の計測には近赤外レーザー(波長 1064nm)、水中地形の計測には緑色レーザー(波長 532nm)と、2種類のレーザー光線を使います。
これらのレーザー光線を同時に照射し、水面で反射したパルスの往復時間と、水を透過して河床で反射してきたパルスの往復時間差から水深を算出。陸上部と同時に水中地形の3D点群を求める仕組みです。
計測できる水深は水質によって異なりますが、数十メートル程度は大丈夫とのことです。また、航空機からのレーザー光線はだ恋情に斜めに照射するため、計測ポイントの精度や密度が高いのも特徴です。
同時に高解像度デジタル航空カメラでの写真撮影も行うので、3D点群とともにフルカラーや近赤外線画像データも取得できます。
この航空レーザー測深機を使うと、測量船による計測の数倍の範囲を一挙に上空から計測できるほか、浅瀬や岩礁エリアなども効率的に計測できます。
そして
陸上部と水中部を合体
させた3D地形モデルを作ることも簡単です。
活用分野としては、河川の洗掘や堆積などを状態を計測し、水理解析用のデータとして活用するなど河川管理や災害対策があります。
また、河口から海岸線沿いに海底地形を計測することで土砂流動のモニタリングが行えるので、離岸堤や突堤などによる養浜効果の検証や、港湾施設や防波堤などの海上構造物に沿った深浅測量を安全に行うといった用途にも使えます。
空から水中の地形が計測できるとは、驚きですね。ますます3Dモデルの活用範囲が広がっていきそうです。