管理人のイエイリです。
球形タンクなどをらせん状に切断しながら解体する「リンゴ皮むき工法」などの解体工事を展開するベステラ(銘柄コード:1433。本社:東京都墨田区)が9月2日、東京証券取引所マザーズ市場に上場しました。
解体工事という、一見地味で伝統的な事業を手がける同社ですが、同業他社にはない強みを持っています。
というのは、同社は解体工事に、
ナ、ナ、ナ、ナント、
3Dレーザー計測やBIM
という最新の建設設計、施工技術を導入しているからなのです。
ベステラのウェブサイトによると、同社は3Dレーザースキャナーを3台保有しているそうです。これらの機器で建物内部やプラントを計測し、点群データでモデル化します。
工場内部を点群化しておくと、ウォークスルーで内部の状況をいつでも確認できるほか、精密な寸法計測も行えるのでレイアウト変更などをパソコン上で計画することができます。
さらに3Dモデルで解体工事を計画したり、内部を解体した建物などのBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)モデル化への橋渡しも行ったりもできます。
同社では自動車部品の試作用に使われている積層ピッチ15ミクロンという高精細な3Dプリンターも導入しており、3Dモデルから複雑な配管や構造物を再現した模型も作成できます。
これらの技術は解体だけにとどまらず、建物や土木構造物、工場などの運用や維持管理などに幅広く活用できる汎用性を感じますね。
同社のウェブサイトでは「解体診処」というコーナーを設けて、3D測量事業やリンゴ皮むき工法(ガスタンク)、ロボット解体工法などの技術をマンガによる紙芝居動画の形で同社の技術力を紹介しています。
解体や3D計測といった技術を、一般の投資家などにもわかりやすく説明する努力が感じられます。
解体工事というマザーズ市場ではかなり地味な分野の会社であるにもかかわらず、こうした技術力が注目されてか株価も堅調に推移しています。
ブルームバーグの記事によると新規上場した9月2日の株価は、公募価格2500円に対し初値は25%高の3125円で始まり、
ストップ高の3825円
まで上昇したそうです。
上場2日目の昨日(9月3日)の始値は3825円から始まりましたが、この日もストップ高の4525円で終わりました。
3日目の今日はどんな展開になるのか、注目されますね。