商標登録も完了!国交省の「i-Contrucion」で建設工事が変わる
2015年12月10日

管理人のイエイリです。

国土交通省はこれまで、3Dマシンコントロールなどを使った情報化施工や、構造物の3次元モデルを使って設計・施工を行うCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)など、建設プロジェクトのIT化を進めてきました。

これらのIT化政策は、2016年度から統合され、さらにパワーアップして推進されることになりそうです。

というのも、石井啓一国交相が、11月24日の記者会見で「建設現場の生産性向上に向けて、測量・設計から、施工、さらに管理に至る全プロセスにおいて、情報化を前提とした新基準を来年度より導入することとしました」と宣言したからです。

その取り組みの“ブランドネーム”は、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

i-Construction(アイコンストラクション)

 

というのです。

土木分野では、生産性が向上した分野と横ばいの分野があります。

生産性が向上した分野の代表格は、山岳トンネル工事です。昭和30年代に行われた東海道新幹線のトンネル工事では1m掘り進むのに58人工(にんく)かかっていたのに対し、2010年に行われた最近の新幹線工事ではわずか6人工に減りました。つまり生産性は約10倍に増えたことになります。

逆に土工やコンクリート工は過去30年間、ほとんど生産性が伸びていません。

そこで、生産性が伸び悩んでいる土工やコンクリート工にICT(情報通信技術)や、規格の標準化によるプレハブ化などを導入することで、抜本的な生産性向上を図ろうというのが「i-Construction」の狙いです。

石井国交相は「抜本的な生産性向上を図ることで、全体として技能労働者一人あたりの生産性について、将来的に5割向上の可能性がある」と語っています。

ICT技術を導入した土工の改革イメージ(資料:国土交通省)

ICT技術を導入した土工の改革イメージ(資料:国土交通省)

プレハブ化を導入したコンクリート工の施工イメージ(資料:国土交通省)

プレハブ化を導入したコンクリート工の施工イメージ(資料:国土交通省)

この日の記者発表に向けて、国交省が着々と準備を進めてきた形跡を昨日、たまたま目にしました。

「i-Construction」という言葉を特許情報プラットフォーム「J-PlatPat」で検索しているとき、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

9月18日に商標登録

 

の出願が、国土技術政策総合研究所長によって行われていたことを発見したのです。

国総研所長によって行われた「i-Construction」の商標出願(資料:J-PlatPat)
国総研所長によって行われた「i-Construction」の商標出願(資料:J-PlatPat)

「商品及び役務の区分」は、「37 建設工事,建築工事に関する助言」と「42 建築物の設計,測量,地質の調査,デザインの考案,建築又は都市計画に関する研究」が指定されていました。

商標登録までクリアした「i-Construction」は、ドローンやICT建機、CIMソフトなどを駆使した国交省の工事ブランドとしてパワフルに使われていきそうですね。今後の展開がますます楽しみになってきました。

(Visited 3 times, 1 visits today)

Translate »