戦車もビックリの機動力!荒れ地を点群計測するライカの“無人MMS”
2016年6月27日

管理人のイエイリです。

土地の造成現場の測量には、ドローンによる空中からの測量、車載型3DレーザースキャナーのMMS(モービル・マッピング・システム)などが使われます。

しかし、ドローンやMMSで測れない部分は人間が地上型3Dレーザースキャナーを現場に担いで行って測量するしかありませんでした。

そこでライカ・ジオシステム(Leica Geosystems)は、普通のクルマが通れないような荒れ地でもスイスイと走れる新タイプの“MMS”を開発しました。

その名も「ペガサス・マルチスコープ(Pegasus:Multiscope)」というもので、単独で点群計測ができる同社の「ペガサス2(Pegasus:Two)」を

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

無人走行の戦車型台車

 

に搭載したものなのです。

ライカ・ジオシステムズが開発した「ペガサス・マルチスコープ」(以下の写真、資料:Leica Geosystems)

ライカ・ジオシステムズが開発した「ペガサス・マルチスコープ」(以下の写真、資料:Leica Geosystems)

その特徴は、本物の戦車もビックリの機動力です。

時速25~35kmのスピードで走行し、傾斜角45度の坂を登れるほか、左右のクローラーを逆回転させてその場で旋回する「超信地旋回」も可能です。

45度の坂も登れる登坂力

45度の坂も登れる登坂力

超信地旋回も可能

超信地旋回も可能

ドローンと同じように、あらかじめ走行ルートを設定しておくと、現場内をくまなく走り回り、細かいところまで点群データを取ることができます。

計測された点群データ

計測された点群データ

このシステムに使われた台車は、エストニアのミルレム社(Milrem AS)という軍用車両メーカーが開発したUGV(Unmanned Ground Vehicle:無人車両)です。

サイズは長さ2100mm×幅2100mm×高さ980mmです。自重は850kgで、ほかに750kgの装備を搭載できます。

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アタッチメントを変えて、いろいろな目的に使える

アタッチメントを変えて、いろいろな目的に使える

クラウドで複数の台車を制御売ることも可能

クラウドで複数の台車を制御売ることも可能

動力は幅広のクローラー内部にリチウムイオン電池のほか、ディーゼルエンジンを搭載しているため、

 

10時間連続稼働

 

できるのも強みです。

クローラー部分に収納されたリチウムイオン電池。反対側のクローラーにはディーゼル発電ユニットが収納される

クローラー部分に収納されたリチウムイオン電池。反対側のクローラーにはディーゼル発電ユニットが収納される

この台車は今後、工事現場での測量のほか、資機材の運搬や軽作業用としても期待できそうですね。

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