管理人のイエイリです。
最先端のオフィスでは、人がいる部屋や机の周辺は空調や照明を自動的に強化し、そうでない場所は弱くするといった方法で省エネを実践しているところがあります。
これと同じようなマネジメントを、不特定多数の多くの人々が集まる商業施設や駅・空港なども行えないかという実験が、東京・日本橋室町地区で行われることなりました。
人の動きのほか、天気やエネルギーの動向などを加味して、省エネやエレベーターの混雑緩和、商店の売り上げアップなどの「エリアマネジメント」を最適に行うために、
ナ、ナ、ナ、ナント、
AIでビッグデータを解析
するシステムを導入するのです。
この実験は、日建設計総合研究所と日本電信電話(NTT)が、都市の様々なビッグデータをエリアマネジメントに生かすため、AI(人工知能)を利用して共同研究しているエリア情報活用プラットフォーム「AI×AI(仮称。アイアイ)」の実現を目指すものです。
今回、三井不動産も実験に加わり、今後日本橋室町地区で実証実験を行うことになりました。
マネジメントの対象は多岐にわたっています。例えば空調は、人が多い場所では強化し、そうでない場所は弱くするといった具合です。来訪者が快適に感じられる体感温度を維持しながら、空調エネルギー消費量を大幅に削減することができます。
また、エスカレーターやエレベーターの運行は、人が多く乗る時間帯はスピードを上げたり、待っている人が多い階を優先したりといった制御を行います。
このほか、清掃業務では、イベントで人が多く集まっていた場所はすぐに行い、雨が降ってきたらスリップ防止のための対策を急ぐ、といった具合に利用します。
実験に使用するAIシステムは、NTTグループの「corevo」です。既に道路舗装の異常個所を発見する業務などに使われるなどの実績があります(詳細は、当ブログ2016年12月1日の記事参照)。
下の図は日本橋室町にある超高層複合施設「コレド室町1」で1mメッシュごと人の密度を計測したものですが、場所によってかなり違うことがわかりますね。
さらに、天気やイベントの時刻を加味して、
将来の歩行者通行量を予測
したデータを付近の飲食店や商店などに提供することで、仕入れ量やメニュー構成、スタッフの配置などを最適化することも考えています。
これまでは、各店舗の責任者が知恵を絞って周囲の条件を見極めながら、こうした計画を立てていたわけですが、詳細な天気予報やイベントなどのビッグデータを活用し、AIで予測することで、売れ残りのリスクや売り切れによるビジネスチャンス逸失のリスクが減りそうですね。
日建設計総合研究所、NTT、三井不動産の3社は今後、コレド室町1以外の日本橋エリアにも調査対象を広げ、エリア情報活用プラットフォームを実際の計画やマネジメントに生かすための実証実験を行う予定です。