管理人のイエイリです。
土木工事の施工管理を、コンピューターを使って省力化したり、可視化したりするためには、現場の現況3Dモデルを作る作業が欠かせません。
しかし、これまではトンネル掘削や盛り土工事などの進ちょく状況を、手入力やドローン(無人機)による空撮写真などでデータ化し、人間のオペレーターが手作業で3Dモデル化する必要がありました。
そこで伊藤忠テクノソリューションズ(以下、CTC)は、現況3Dモデルの作成を大幅に効率化するソフト「C-シリーズ」を4種類開発しました。(CTCのプレスリリースはこちら)
これまで手作業に頼ってきた3Dモデル作成を
ナ、ナ、ナ、ナント、
IoTで自動化
することに成功したのです。
ラインアップは、2017年11月に発売されたシールド工事用の「C-Shield(シールド)」と、2018年4月に発売予定の地盤改良工事用の「C-Grout(グラウト)」、盛土工事用の「C-土工」、そして浚渫(しゅんせつ)工事用の「C-浚渫」からなります。
これらの工事現場で使われる各種計測センサーや重機などから得た情報を、「IoT(モノのインターネット)」技術で収集し、システムが自動的に現場の3Dモデルを作ります。
現場の進ちょく状況に合わせた3Dモデルがリアルタイムに作成できるので、3Dモデルを見ると工事がどれだけ進んだかがひと目でわかりそうですね。
例えば、シールド工事用の「C-Shield」では、シールドマシンやセグメントの現在位置のほか、埋設物や重要構造物下のコントロールポイントなどが3Dモデル上ではっきり確認できます。
地盤改良工事用の「C-Grout」では、地層の境界部分や地中の障害物、地盤改良工事の進ちょく状況などがリアルタイムに見える化され、地面の変位も等高線などで表示されます。
盛り土締め固め工事用の「C-土工」では、タイヤローラーなどの転圧管理システムと連携して、転圧状況を3Dモデル化します。
また、浚渫工事用の「C-浚渫」は浚渫船からの情報をもとに海底の掘削状況をリアルタイムに可視化します。浚渫船にはグラブ式やバケット式などのタイプがありますが、カスタマイズで対応できるとのことです。
どのソフトも、工事の現況を3Dモデル化するだけでなく、
施工状況の整理
もワンクリックで行うことができます。
CTCではこれまで、i-Construction市場向けに地盤や地質を3Dモデル化する「GEORAMA for Civil 3D」や、BIM/CIMモデルの属性情報をExcelなどで管理できる「Navis+」、3Dモデルなどをクラウド上で共有できる「CIM-LINK」といったソフトを発売してきました。
C-シリーズも今後、クラウド化や機能強化を進めて生産性向上を支援していく方針です。
これまで手作業で行っていた報告書作成作業が、こうしたソフトに任せられるようになると、ソフトと人間が“同僚”のように働くイメージになってきそうですね。
そして将来的には、自動作成された3Dモデルをもとに、AI(人工知能)が工事の遅れやコスト上昇などの注意を出したり、資材の発注や運搬の指示、工程計画の見直しを自動的に行ったりと、さらに進化していくことも期待できそうです。