3Dスキャナーが足場を登る!点群とAIで施工管理を自動化した米Doxel社
2018年3月7日

管理人のイエイリです。

大きなビルの工事現場になると、工事全体の進ちょくや原価を把握する施工管理は大変な作業です。

進んでいる現場だと、3Dレーザースキャナーやドローン空撮によって現場の点群データを取得し、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)と干渉チェックを行うことで、現在の進ちょく状況を把握する取り組みも行われています。

点群による施工管理をさらに自動化したのが、米国カリフォルニア州パロアルトに本拠を置くドクセル(Doxel)社です。

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

点群をAIで分析

 

することにより、工事の進ちょく状況や出来高を毎日、リアルタイムに把握できる施工管理システムを開発したのです。

ドクセル社の施工管理システムのイメージ。点群をAIで分析することにより、毎日の工事進ちょく状況を把握できる(以下の資料:Doxel)

ドクセル社の施工管理システムのイメージ。点群をAIで分析することにより、毎日の工事進ちょく状況を把握できる(以下の資料:Doxel)

同社のプロモーションビデオによると、現場を毎日、ドローンや3Dレーザースキャナーで3D計測し、点群を取得します。

3Dレーザースキャナーはクローラー付きの台車に取り付けられ、足場を上り下りしながら現場を行き交い、自動的に点群計測を行うようです。

ドローンによる空撮写真による3D計測

ドローンによる空撮写真による3D計測

足場を登る3Dレーザースキャナー

足場を登る3Dレーザースキャナー

3Dレーザースキャナーによる点群計測作業

3Dレーザースキャナーによる点群計測作業

そして、AI(人工知能)によって点群データとBIMモデルを比較することで、点群が何の部材なのかを判別し、予定より遅れていないかを確認します。

このとき、取り付け精度が基準よりもずれている場合は、指摘する機能もあるようです。

点群が何の部材なのかをAIによって判別する

点群が何の部材なのかをAIによって判別する

予定では付いているはずの電線管の施工遅れを発見

予定では付いているはずの電線管の施工遅れを発見

設計よりずれて取り付けられた設備も発見できる

設計よりずれて取り付けられた設備も発見できる

こうして確認した進ちょく状況を元に、遅れている場合は施工管理者のスマホに警告メッセージが送信され、即座に対応を促すようになっています。

スマホに送られた工事遅れのメッセージ(黄色の枠内)

スマホに送られた工事遅れのメッセージ(黄色の枠内)

このシステムをカリフォルニア州サンディエゴの医療施設のビル建設に導入したところ、

 

労働生産性が38%アップ

 

したほか、コストは予定より11%も下回ったそうです。

これだけ工事の進ちょくを把握してくれるAIは、人間にとっても立派な同僚と言えそうですね。

Introducing Doxel – Artificial Intelligence for Construction Productivity from Saurabh Ladha on Vimeo.

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