管理人のイエイリです。
国土交通省の「i-Construction」施策によって土木現場での活用が広がっているドローンですが、レーザースキャナーを搭載して空中からの点群計測の技術も進化しています。
河川情報センター、朝日航洋、アジア航測、ルーチェサーチの4社からなる「チームFALCON」は、2018年12月、埼玉県栗橋の利根川で、ドローンにレーザースキャナーを搭載し、
ナ、ナ、ナ、ナント、
水中の河床形状
の点群計測に、見事、成功したのです。(チームFALCONのプレスリリースはこちら)
水中の河床形状を計測するのに使われたレーザースキャナーは、リーグル社製の「BDF-1」というもので、水中計測に適した「グリーンレーザー」によって計測します。
ただ、重量が約5.3kgと重いため、ルーチェサーチが25kgの機器を搭載できる大型のドローン「SPIDER-LX8」を開発しました。上下反転式のローターを合計8枚搭載し、外形寸法は1200×1100×700mmで最大18分の飛行が可能です。
水中の計測は、飛行高度などの条件を変えて河川を横断方向に複数回飛行し、水底と陸上部を連続的に計測しました。
その結果、
深さ約2mの最深部
まで測量されていることが確認でき、精度も有人機を使ったレーザー測量結果とほぼ一致していたとのことです。
今回の実験では、チームFALCONとリーグルジャパンは、水中測量データを短時間で処理できるソフトを共同開発し、波形処理による測深性能の向上やノイズ除去、国内の河川に適したチューニングなどを行いました。
また、当日の実験では、堤防や高水敷の面的な測量を行うため、小型の近赤外線レーザースキャナー「miniVUX-1UAV」を搭載した陸上ドローンによる計測も合わせて行いました。
miniVUX-1の重量は約1.6kgと軽いため、ドローンもルーチェサーチの「SPIDER-UD8」というやや小型(サイズは900×900×450mm)のものが使われました。
ドローンによるレーザー計測は、地表の草や樹木の下に隠れた地表面まで3D計測できるのが特長ですが、さらに水中まで計れるとなると、河川の測量業務は大幅に生産性が向上しそうですね。