構造BIMの施工、FMとの連携目指す!日建設計がRevit用ツールを無料公開
2018年3月19日

管理人のイエイリです。

BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)で重要なのは、各部材のモデルに格納されている属性情報「I」を有効利用することだ、という声は以前からあります。

しかし、BIMのモデリングルールが企業間で統一されていないと、せっかくのBIMモデルも設計段階から施工、維持管理へと引き継がれていく間に設計段階で入力された「I」が有効利用されず、捨てられてしまうのが現状です。

こうした状況を打開しようと、日建設計は構造設計BIMのモデリングルールを公開し、広めるため「Structural BIM Design Tool」(略称:SBDT)というウェブサイトを2018年3月16日に立ち上げました。

 

日建設計が立ち上げたウェブサイト「Structural BIM Design Tool」(以下の資料:日建設計)

日建設計が立ち上げたウェブサイト「Structural BIM Design Tool」(以下の資料:日建設計)

 

そして同社がBIMソフト「Revit」で構築してきた、構造BIM用のテンプレートやファミリ(BIMパーツ)などの膨大なデータを、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

惜しげもなく無料公開

 

してしまったのです。

 

ウェブサイトから無料でダウンロードできるデータ一覧

ウェブサイトから無料でダウンロードできるデータ一覧

 

中でも「Structural BIM Design Tool」(REVIT2017対応ツール一式)というデータは、テンプレートやファミリから断面表作成プログラム、そしてマニュアルまでがそろっています。

試しにダウンロードしてみたところ、圧縮ファイルの状態で約220MBもありました。

ダウンロードしたデータに含まれるファミリ。梁や柱などの部材から図面枠までが用意されている

ダウンロードしたデータに含まれるファミリ。梁や柱などの部材から図面枠までが用意されている

「構造柱」に含まれるファミリ。非常に充実した内容です

「構造柱」に含まれるファミリ。非常に充実した内容です

免震支承のファミリもさまざまな種類が用意されている

免震支承のファミリもさまざまな種類が用意されている

付属しているマニュアルは157ページもあり、Revit2017を使って構造一般図(伏図・軸組図)を作成するための操作手順とルールが詳しく解説されています。これを読むだけでも、構造BIMのことがかなり理解できそうです。

このツールで作図などの処理を、アドインプログラムで自動化するためには、ファミリはすべてSBDTサイトからダウンロードしたものを使う必要があります。

構造BIM的な機能としては、段差のあるスラブの周囲をスムーズにつなぐ「スラブハンチ」や、柱や梁の鉄骨のオフセット、

 

断面表作成プログラム

 

「SLM」による断面表の作成などがあります。

段差のあるスラブをつなぐ「スラブハンチ」の作成機能

段差のあるスラブをつなぐ「スラブハンチ」の作成機能

柱や梁の鉄骨オフセット機能

柱や梁の鉄骨オフセット機能

断面表作成プログラム「SLM」による断面表の作成例

断面表作成プログラム「SLM」による断面表の作成例

157ページもあるマニュアルでは、丁寧な解説が行われている

157ページもあるマニュアルでは、丁寧な解説が行われている

このほか、構造パースで特定の符号を持った部材の色を変えてわかりやすくするなどのテクニックも紹介されています。

わかりやすい構造パースを作成するテクニックも解説

わかりやすい構造パースを作成するテクニックも解説

日建設計はこれまでも、BIMソフト「ARCHICAD」の基本を学べるラーニングサイト「ARCHICAD-Learning.com」や、RhinocerosやGrasshopperを学べる「Rhino-GH.com」など、BIMの貴重な資料を惜しげもなく無料公開しています。

今回、Revitによる構造BIMのデータ公開により、設計から施工、維持管理へと構造BIMの「I」を連携させながら、生産性の向上などが実現できることを願っています。

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