管理人のイエイリです。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)での設計効率を高める秘けつは、建物各部を構成する部材のBIMパーツの内部に格納する「属性情報」の仕様を決めて、整備しておくことです。
この作業は建築設計事務所や建設会社がそれぞれの社内ルールで行ってきたため、属性情報の仕様が各社でバラバラになっています。
例えば、柱の幅という同じことを表すのに、A社では「幅」、B社では「B」という異なる名前のパラメーターを使っているため、建設会社が作ったBIMモデルを鉄骨製作会社(鉄骨ファブ)に受け渡す際に、会社間ごとにデータ変換を行うという手間ひまがかかっていました。
そこで構造設計にオートデスクのBIMソフト「Revit」を使っている大林組、清水建設、大成建設は2018年12月4日、東京・晴海のオートデスク本社で、柱や梁の設計に使うRevit用のBIMパーツ(ファミリ)について
ナ、ナ、ナ、ナント、
仕様を共通化
したことを発表したのです。
3社のほかRevitを導入している総合建設会社の有志メンバーは、「BIM Summit」というグループを結成し、2016年から活動を行ってきました。
BIMモデルのデータ流通性を高めるためには、BIMモデルやBIMパーツのパラメーターや属性情報の定義を、建設会社間で共通化することが有効という認識で一致し、活動を行ったきた結果、今回、梁や柱のファミリ仕様の共通化が実現したわけです。
そのため、これらのファミリはオートデスクのウェブサイト(https://gems.autodesk.com/RST)から
無料でダウンロード
できるようになっています。
ここ数年、施工段階でのBIM活用が盛んになっていますが、このファミリを使うことで鉄骨部材の生産や施工がスムーズになりそうですね。
「BIM Summit」では、“非競争領域”であるBIMプラットフォームを構築し、建物情報をデジタルデータで記述、伝達することで建設業界のデジタル変革を促すことを目指しています。
今後は鉄筋コンクリート構造用のファミリも仕様を共通化していく予定です。そしてこれらのファミリの活用を、設計事務所や他の建設会社にも呼びかけています。