管理人のイエイリです。
現状の建物や設備を高精度の点群データで計測するために、3Dレーザースキャナーが使われることが多くなりました。
小型、軽量の機種が各社から発売され、以前より使いやすくなったとはいえ、現場での計測には目印となる「ターゲット」を設置したり、3Dスキャナーを正確に設置したりと、面倒な作業が必要です。
また、現場から事務所に戻ってからも、複数の地点で計測した点群データを一つに合成する「レジストレーション」とよばれる作業があり、そこで点群の計測ミスを発見した場合は、再度、計測に行くという手戻りもありました。
ニコン・トリンブルは、点群計測につきもののこうした面倒を大幅になくした3Dレーザースキャナー「Trimble X7」を本日(2020年8月31日)、受注開始することになりました。
現場内の複数点に順次、スキャナーを設置しては計測するという作業を繰り返しながら、
ナ、ナ、ナ、ナント、
現場で点群を合成
できるのです。しかも、面倒なターゲット設置は不要です。(ニコン・トリンブルのプレスリリースはこちら)
専用コントローラー上で点群が合成し、その場で確認できるので、万一、計測ミスがあってもその場で発見・再計測などの対応ができ、手戻りを防止します。
これまで時間がかかっていた機器設置時の整準作業も不要になりました。傾けて設置しても、水平に設置した場合と同様のデータを取得できる「自動整準」機能が付いているからです。
5°までの傾きなら3秒(3”)の精度で自動清純を行うほか、45°までの傾きならスキャン後の点群合成時に自動補正を行います。
計測ごとに機器の傾きや、周辺気温と内部温度、部品の取り付け誤差による角度補正、反射強度による測距距離補正を毎回、自動的に行い、データを最適化してくれます。
このほか、三つの高解像度カメラで高画質パノラマ画像を撮影したり、金属配管やアスファルト面などの高反射面の計測に適した「高品質モード」も搭載しています。
本体の質量はバッテリーを含めて5.8kgと軽量です。また、計測距離は80mとなっています。
また、専用コントローラーには「FieldLink」というアプリがインストールされており、現場にパソコンを持ち出したような感覚で、いろいろな作業が行えます。
例えば、設計データに合わせて点群を計測してその場で干渉チェックを行ったり、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)のIFC形式やDWG形式、SketchUpのskp形式などの3Dモデルを読み込んで、
現場で点群と比較
したりといったことが行えます。
気になるお値段ですが、販売を担当する同社の特約販売店「ビルディング・パートナー」に問い合わせてほしいとのことです。
海外のサイトを見ると、4万ドル程度で販売されているところもあるので、かなりリーズナブルな価格が期待できそうです。
詳しい使い方については、ニコン・トリンブルが開催したウェビナーの動画「地上型3Dレーザスキャナ Trimble X7システムのご紹介」がYouTube上で公開されているので、ご覧ください。