ダンプは自動運転時代へ! 大林組がダム現場で“日野の20トン”でレベル4に挑戦
2020年10月29日

管理人のイエイリです。

人手不足時代の建設現場では、これまで人が行ってきた仕事を、いかに機械にやらせるが問題解決の基本なります。

車両の運転はその大きなターゲットになりそうですね。

そこで大林組と日野自動車は、三重県伊賀市で建設中の川上ダムの現場で、ダンプトラックによる自動運転の実証実験を、2020年11月1日から1カ月半、行うことになりました。

日野自動車というと、あの「トントントントン、日野の2トン」というCMが有名ですが、今回の実験では、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

“日野の20トン”

 

ともいうべき、「日野プロフィア」の大型ダンプトラックを使って行うのです。(大林組、日野自動車のプレスリリースはこちら

大型ダンプの自動運転実験に使われる「日野プロフィア」。車両総重量は約20トン(以下の写真、資料:大林組、日野自動車)

ダンプにはGNSS(全地球測位システム)やカメラ、リアルタイムに周辺を3Dスキャンできる「LiDAR(ライダー)」などを搭載し、GNSSの誘導により地図上の道路を走行します。

前に車がいる場合は安全な車間距離を保って追従走行し、人や障害物を検知すると停止するようになっています。

今回の実証実験では、夜間の現場に自動運転車を1台導入し、有人ダンプと自動運転車が混在したときの運行への影響や全車を自動運転にした場合の運用について検討します。

走行ルートは、ダムコンクリートの骨材ヤードからコンクリートプラントの投入場所までで、日々、積み込む場所が変わります。ルート上には狭いカーブや悪路、急勾配があり、有人ダンプと混在した現実的な環境を再現しています。

狭いカーブや急勾配を含む走行ルート。積み込む骨材ヤードの位置は日々変わる

積み込みを行う骨材ヤード

ルート上には狭いカーブもある

この実験は、

 

自動運転技術の「レベル4」

 

に相当するものです。

自動運転技術はドライバーがすべての操作を行う「レベル0」から、場所を問わずシステムがすべてを操作する「レベル5」まであります。

「レベル4」は「特定の場所」という条件が付くだけで、システムがすべてを操作する自動運転ですから、かなり完成度の高い自動運転と言えるでしょう。

しかし、今回の実験では、想定外のことにも対応できるようにシステム監視者がトラックに乗車します。

川上ダムの現場では、これまでも第五世代移動通信システム「5G」を使って複数の建設機械を制御し、道路を造成したり(当ブログ2020年2月17日の記事を参照)、堤体に打設するコンクリートを運搬する国内最大級のタワークレーンを自動運転したり(当ブログ2020年2月17日の記事を参照)と、先進的な取り組みを行ってきました。

このほか、大林組はバックホーを自動運転して土砂をダンプに積み込む実験にも成功しています(当ブログ2020年7月22日の記事を参照)。

建設現場という限られた空間なら、こうした自動運転の導入もやりやすそうですね。台数の多いダンプトラックの運転が自動化されると、人手不足問題の解決に大きな力となりそうです。

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