管理人のイエイリです。
このところ、都市や社会インフラ、工事現場など、あらゆるものをデジタルツイン(デジタルの双子)化して、コンピューターで管理していく動きが活発になっています。
都市については当ブログでも、国土交通省が全国50数カ所の都市を、3Dの都市モデルでデジタルツイン化する「Project “PLATEAU”」を推進し、東京23区の3Dモデルを先行公開したというニュースをお伝えしたところ、大きな反響がありました。(詳しくは、2020年12月23日付けの当ブログ記事を参照)
そして、またまたビッグなプロジェクトが登場しました。今度は、
ナ、ナ、ナ、ナント、
東京都もデジタルツイン
の実現に向けて取り組んでいることが明らかになったのです。(「東京都3Dビジュアライゼーション実証プロジェクト」のウェブサイトはこちら)
![](https://ken-it.world/it/wp-content/uploads/sites/4/20210129-image01a.jpg)
東京都のデジタルツインのイメージ
「東京都3Dビジュアライゼーション実証プロジェクト」というもので、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を連携し、AIなどで全体最適を図る「Society5.0」を実現する取り組みの一環として行っているものです。
2020年度は都市のデジタルツインを構築して期待される効果を検証し、本格整備に向けた機運を高めるため、西新宿エリアと渋谷・六本木エリアのデモ用3D都市モデルを開発しました。3Dモデルのデータは、ゼンリンやNTTデータから購入しました。
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デモ用として開発した西新宿エリアと渋谷・六本木エリアの3D都市モデル
このうち、西新宿エリアの3D都市モデルは、ウェブブラウザーから3Dビューワーを起動して、視点を変えたり、拡大・縮小させたりしながらユーザー自身が見ることができます。(3Dビューワーの起動はココ)
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3Dビューワーで新宿駅方面から西口側を見たところ。時刻は1月29日の朝9時ごろに設定してみた
東京都は(1)街の混雑状況、(2)オフィスの疎密状況、(3)日照・風況というデモ動画をYouTubeで公開しており、それぞれデジタルツインの使い方や効果をイメージできるようにしています。
![](https://ken-it.world/it/wp-content/uploads/sites/4/20210129-image06-500x281.jpg)
3D都市モデルで見た各街路の人通り。2020年3月と4月を比較した例
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渋谷エリアにあるビルのフロアを切り開いて見たところ
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人の混雑状況がヒートマップで表示されている
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混雑状況はスマホでも見られるというイメージ
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六本木ヒルズ付近の朝(上)と夕方(下)の日照状況
ユニークな活用法として、ナビゲーション機能に時々刻々と変わる日影条件をプラスして、最短ルートだけでなく
日陰ルートの検索
もできると提案しています。
「都市ユーザー」の気持ちにそった使い方の提案はいいですね。
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最短ルートのほか日陰ルートの検索をする使い方も提案。夏は涼しく移動できそうだ
東京都では今後、防災の「地震 避難対策」や「地下インフラ管理・運営」を想定したコンテンツも作って行く予定です。
こうしたデジタルツインを、どのような用途で使うかについては、「未来のあるべき生活」をイメージしたビジョンが求められますね。
どんな街があったら幸せなのかを、夢やポエムとして語る“詩人”のような人が今、強く求められているのではないでしょうか。