管理人のイエイリです。
2021年9月22日、鹿島建設、清水建設、竹中工務店を幹事会社とし、大手ゼネコン13社を会員企業とする「建設RXコンソーシアム」の設立総会が開催され、正式に発足しました。
●建設RXコンソーシアムの構成企業 | |||
<幹事3社> 鹿島建設 清水建設 竹中工務店 |
<会員企業13社> 淺沼組 安藤・間 奥村組 熊谷組 鴻池組 |
錢高組 鉄建建設 東急建設 戸田建設 西松建設 |
長谷工コーポレーション フジタ 前田建設工業 (五十音順) |
「RX」とは聞き慣れない言葉ですが、「ロボティクス トランスフォーメーション」、つまり「ロボット変革」を意味するものです。
つまり、このコンソーシアムでは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
建設ロボットやIoTアプリ
を構成企業16社で共同開発するのが目的なのです。(建設RXコンソーシアムのプレスリリースはこちら)
※ IoT:Internet of Things。「モノのインターネット」という意味
このコンソーシアムができるまでには、布石がありました。
まずは2019年12月に、鹿島建設と竹中工務店がロボット施工やIoT分野の技術連携について基本合意書を締結し、鹿島建設が開発した「溶接ロボット」と、竹中工務店が開発した「清掃ロボット」の相互利用を始めました。(詳しくは、2020年2月5日付けの当ブログ記事を参照)
翌2020年10月には、この2社の技術連携に清水建設も加わりました。(詳しくは、2020年10月21日付けの当ブログ記事を参照)
そして今回、この3社が幹事会社となり、新たに13社が加わってコンソーシアムが誕生したというわけです。
これまで、ロボットやIoT関係の技術は、各社の研究所などで秘密裏に開発が行われるのが普通でした。
しかし、今や少子高齢化の時代を迎え、労働力不足や現場での生産性・安全性の向上、コスト削減は建設業界の共通の課題となっています。建設業界全体でも生産性や魅力アップに努めないと、若い世代に振り向いてもらえません。
そこで16社が大同団結し、各社の自主性を尊重しつつ、人手不足など
共通のお困りごと
を解決していくのが、このコンソーシアムの目的と言えます。
最大のお困りごとはやはり、22世紀まで続くと予想される人口減少による人手不足でしょう。
これまで各社は、「人間ができない」ことを行うロボットの開発にしのぎを削ってきました。
一方、このコンソーシアムでは資材の運搬や部材の取り付けなど、「人間ができる」ことを手伝ってくれるロボットやアプリが中心になりそうですね。
スーパーゼネコンのうち、大林組や大成建設は今回のコンソーシアムには参加していないようです。しかし“非競争領域”のベーシックなロボットやアプリの共同開発には乗った方がコスト的に得策と思われますので、今後、さらに大同団結の輪がさらに広がるかもしれませんね。
そうなると、現場で使われる運搬ロボットや作業ロボットは、バックホーやクレーンのように大量生産された市販品が安く調達できるようになり、一気に建設RXが進むことになりそうです。