鹿島、清水、竹中が施工ロボを相互利用へ!墨出しから内装までの作業をカバー
2020年10月21日

管理人のイエイリです。

今後、ますます厳しくなる人手不足問題を克服するため、建設現場では施工用のロボットが導入されつつあります。

ただ、同じような作業をするロボットを各社がバラバラで開発していると、二重開発のムダやロボットのコストアップにつながります。

そこで、2019年12月に鹿島と竹中工務店は基本合意書を締結し、両社が開発した施工ロボットを相互利用するなどの技術連携を進めてきました。(詳細は2020年2月5日付けの当ブログ記事を参照

この連携にこのほど、

ナ、ナ、ナ、ナント、

清水建設が参加

したのです。(清水建設のプレスリリースはこちら

スーパーゼネコン3社による技術連携イメージ(資料:鹿島、竹中工務店、清水建設)

技術連携の対象は、施工関連技術のうちロボット、機械装置、ソフトウエア、IoT技術に関連するものとし、新規技術の共同研究開発や既存技術の機能向上・改良、実用レベルに達した既存ロボット技術などの相互利用を行います。

3社がこれまでに開発してきたロボットをみると、ビルや土木構造物などの作業を幅広くカバーしていることがわかります。

例えば、鹿島のコンクリート仕上げロボット「NEWコテキング」は、ビルの床や橋梁の床版コンクリートを打設の後、なめらかに仕上げてくれます。

続いて、竹中工務店の「墨出しロボット」が、部材の取り付け位置などを高精度でけがきます。

鹿島のコンクリート仕上げロボット「NEWコテキング」

竹中工務店の「墨出しロボット」

施工が佳境に入ってくると、現場内で資機材を効率よく搬送する必要が出てきます。

そこで清水建設の水平スライドクレーン「Exter」は、狭い現場内でアームを伸縮させて吊り上げた資材をスムーズに下ろせるほか、竹中工務店の自動搬送ロボット「かもーん、ひもーん」が横方向の資材搬送を担います。

清水建設の水平スライドクレーン「Exter」

竹中工務店の自動搬送ロボット「かもーん、ひもーん」

そして鹿島の外壁施工支援ロボット「マイティフェザー」によってビルの外壁を施工し、清水建設の内装多能工ロボット「Robo-Buddy」によって

天井板を取り付ける

といった具合です。

鹿島の外壁施工支援ロボット「マイティフェザー」

清水建設の内装多能工ロボット「Robo-Buddy」

これらの施工ロボットをすべて1社で開発するとなると、手間ひまもコストも相当かかってしまいそうですが、3社で分担できればコストも安く、ロボットの完成度も上がりそうですね。

こうして開発された施工ロボットの中には、竹中工務店の「かもーん」がレンタルのニッケンから提供されているように、一般の建設会社も使えるものもあります。

それにしてもここ2週間ほどで、清水建設から建設ITに関するプレスリリースが矢継ぎ早に発表されているのには驚かされます。

10月6日には3Dコンクリートプリンター用材料の開発当ブログ記事)、10月13日には「建物OS DX-Core」(当ブログ記事)、10月14日には「地中連続壁のリアルタイム施工管理システム」と「3眼カメラ配筋検査システム」(当ブログ記事)、10月15日には「都市デジタルツインでのオートデスクとの協業」、そして10月19日には今回のスーパーゼネコン3社による施工ロボット等の協業が発表されました。

建設業の“デジタルトランスフォーメーション”に向けて、いよいよスイッチが入ったようです。

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