管理人のイエイリです。
世界中がコロナ禍に見舞われる中、リアルな会場で開催される展示会も負けてはいません。
2022年1月17日~20日、米国・ラスベガスのコンベンションセンターで、コンクリート関連の製品を集めた展示会「WORLD OF CONCRETE 2022」が開催され、3万7000人の来場者を集めました。
約1100社のブースがひしめく展示会場の一角で、はるばる日本からやって来た建ロボテック(本社:香川県木田郡三木町)のブースに、大きな注目が集まっていました。
いったい、なにが展示されていたのかというと、
ナ、ナ、ナ、ナント、
「太径鉄筋結束トモロボ」
だったのです。(建ロボテックのプレスリリースはこちら)
トモロボとは、橋桁の床版などのコンクリート打設時に、配筋された鉄筋をレールとして走行しながら、縦横の鉄筋が交差する部分を、自動的に結束してくれるロボットです。
建ロボテックのブースでは、海外の橋梁や道路でよく使われるD16~D32の太い鉄筋径に対応した太径用のトモロボを実際に動かしてデモンストレーションを行ったところ、3日間で約1000人の工事関係者などが訪れました。
中には「この機械を置いていってくれ」と頼む人もいたそうです。
そして、現地テレビ局の「8News NOW Las Vegas」も日本発の鉄筋結束ロボットに注目し、
トモロボをニュース番組で
大きく取り上げました。
コロナ禍にも負けず、万全の感染対策を行って米国の展示会に出展した結果、同社も驚くほどの反響があり、180社を超える潜在顧客の連絡先を獲得したほか、帰国後2週間までに2件の具体的な商談も進んでいるとのことです。
元鉄筋工で代表取締役CEOの眞部達也氏らが、自らの経験をもとに思いを込めて開発したトモロボは、米国の建設関係者の心もしっかりとつかむことに成功したようですね。
トモロボの進化の過程は、当ブログでもお伝えしてきました。当初、建築工事向けの細径(D10~D16)対応だったのが、土木工事用の太径に対応(2020年11月12日付け記事)し、作業員さんと会話する機能の開発(2021年2月16日付け記事)、鉄筋の“レーンチェンジを自動化”(2021年7月15日付け記事)したなどの記事です。
そして、次の新製品としてはトモロボが機関車となって、鉄筋の上に貨物列車のように走りながら、人の代わりに重い建材を運搬する「運搬トモロボ」を開発中で、近く発売予定です。
鉄筋の上は歩きにくく、さらに重い者を運ぶのは大変ですから、このロボの登場が待たれますね。