管理人のイエイリです。
三菱地所と言えば、東京駅周辺の大丸有(大手町・丸の内・有楽町)エリアを象徴とする超大手不動産会社として知られています。
同社のビジネスは今、新しい交通手段として注目される「次世代モビリティー」に対応した不動産の世界へと広がりつつあります。
その一つが、2022年2月8日と3月1日に大手町で、デロイト トーマツ グループや有志団体Dream On、Tokyo Marunouchi
Innovation Platform(TMIP)と共催する「空飛ぶクルマVR体験会」です。
体験会ではVR(仮想現実)ゴーグルを装着し、地方空港に到着した乗客が“空飛ぶクルマ”に乗り換え、宿泊予定ホテル到着までを
ナ、ナ、ナ、ナント、
フライトシミュレーター
のように体験できるのです。(三菱地所のプレスリリースはこちら)
空飛ぶクルマで信号待ちや渋滞なしで移動できるスピード感のほか、飛行高度による恐怖感はないか、どんな景色が見られるのかなど、実際に乗った気分がリアルに味わえそうですね。
また、飛行中だけではなく、搭乗手続きから車内での過ごし方、目的地到着後のアクティビティーまでの流れも体験できます。
2つめの取り組みとして三菱地所は、京都府城陽市で「次世代基幹物流施設」の開発を始動しました。
この物流施設は、新名神高速道路の宇治田原IC(仮称)に直結した約560mの専用ランプウェイを備え、一般道に下りることなく物流施設に直行できるようになっています。
その狙いは、
完全自動運転トラック
や、後続車無人隊列走行トラックの受け入れにあります。(三菱地所のプレスリリースはこちら)
クルマの自動運転はレベル0(自動運転なし)からレベル5(完全自動運転)まで6段階ありますが、自動車専用道路などの限定領域での自動運転を行うレベル4なら既に実用化のレベルに達しつつあります。
こうした自動運転の技術開発を先取りし、高速道路のインターチェンジに直結した専用ランプウェイ付きの物流施設は日本で初めてです。竣工は2026念の予定です。
同社は関東圏でも同様に、次世代モビリティー対応の物流施設の開発を検討中とのことです。
3つめの取り組みとしては、電動キックボードとの連携です。
Luup(本社:東京都渋谷区)は2021年に産業競争力強化法に基づく「新事業特例制度」の認定をうけて、東京駅・銀座・日本橋エリアなどで、ヘルメット任意の電動キックボードのシェアリングサービスを提供しています。
一方、三菱地所は、街中のオンラインサービスや、リアルな空間への入退場などを1つのIDで利用できる共通認証IDシステム「Machi Pass」を2020年10月に開発、展開しています。
両社は2022年2月8日に提携し、Machi Passユーザーは大丸有エリアでの短距離移動手段として、Luupの電動キックボードを利用できるようになりました。(三菱地所のプレスリリースはこちら)
空飛ぶクルマ、自動運転車、そして電動キックボードと紹介しましたが、これからは無人ロボットやドローン(無人機)による配送など、新たな交通手段が続々と登場してきそうです。
これらをターゲットにしたワイヤレス充電施設やセンサーの設置などは、建設業が取り組める新ビジネスの宝庫と言えそうですね。(詳しくは、2022年1月14日付けの当ブログ記事を参照)