管理人のイエイリです。
測量機器大手のトプコンは、建設分野で使われる国産3Dレーザースキャナーの草分け企業です。
地上型スキャナーや車載型のMMS(モービル・マッピング・システム)、さらにはドローン(無人機)による計測など、3D点群計測のハード機器や、これらの計測データを合体させる世界初の点群処理ソフト「MAGNET Collage」を世界で初めて開発するなど、3Dスキャンの場を着々と広げてきました。(2017年2月17日付の当ブログ参照)
同社のポジショニングビジネスのアジア統括事業会社であるトプコンポジショニングアジア(本社:東京都板橋区。以下「TPA」)はこのほど、Synspective(本社:東京都江東区)と販売パートナーシップを締結し、トプコンの3D点群計測のソリューションは、飛躍的に広がることになりました。
このパートナーシップによって、地上で起こっている地すべりや地盤沈下などを、
ナ、ナ、ナ、ナント、
宇宙から3Dスキャン
するという、新たな手段を手に入れたからなのです。(トプコンのプレスリリースはこちら)
Synspectiveは、小型SAR(合成開口レーダー)衛星の開発・運用と、衛星データの販売、データ解析などの展開する企業です。
SAR衛星はマイクロ波を使って地表面を観測する衛星です。雲を透過する波長の電波を宇宙から照射し、地上からの反射波を観測するため、天候や時間帯にかかわらず、いつでもデータ取得できるのが強みです。
このSARデータを活用した独自のInSAR(干渉SAR)解析技術を使うことにより、広範な地表面の高さ方向の
変動量をミリ単位
で計測し、時系列的に比較できるのが、「Land Displacement Monitoring(LDM)」というサービスです。
このサービスを使うと、道路や鉄道工事による地盤沈下や陥没、隆起、地すべりの兆候把握を、宇宙から計測できるのです。
これは驚きの技術ですね。地上型レーザースキャナーからSAR衛星まで広がった3Dスキャンが、ワンストップで使えるようになったことで、3D点群計測の生産性はますます上がりそうです。