BIMで中古物件を“正直不動産評価”! スターツグループと日本不動産研究所が建物の価値を見える化
2022年6月23日

管理人のイエイリです。

スターツコーポレーション(本社:東京都中央区)を中心とするスターツグループと言えば、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の「I」、すなわち属性情報を様々な業務に活用する取り組みを行っています。

2018年には、BIMとEC(電子商取引)によって設計から積算、入札、発注までの一連の業務をワンストップすることを目指す「BIM-ECコンソーシアム」を設立し事務局を務めています。(詳しくは、2021年2月1日付けの当ブログ記事参照

また、BIMを建物のデータベースとして活用し、事業計画から維持管理までを含めたライフサイクルを一気通貫で管理できる「BIM-FM PLATFORM」を構築し、業務プロセスの改善や効率化を図っています。

建物のライフサイクルを一気通貫で管理する「BIM-FM」のメニュー(以下の資料:スターツグループ)

建物のライフサイクルを一気通貫で管理する「BIM-FM PLATFORM」のメニュー(以下の資料:スターツグループ)

そしてこのほど、同グループは新たな分野へのBIM活用に踏み出しました。

不動産の売買に関するもので、

ナ、ナ、ナ、ナント、

不動産鑑定をBIMで

行うことにチャレンジしたのです。(スターツグループのプレスリリースはこちら

BIMデータによる不動産鑑定評価実験の流れ

BIMデータによる不動産鑑定評価実験の流れ

スターツ総合研究所(本社:東京都中央区)とスターツアセットマネジメント(本社:東京都中央区)が、日本不動産研究所(本社:東京都港区)と、BIMによる不動産鑑定評価を行う共同実験を2021年2月~7月に行ったものです。

共同実験では、スターツプロシード投資法人が保有する2棟の共同住宅(プロシード新栄、プロシード門前仲町)のFM(ファシリティーマネジメント)用のBIMデータをもとに、日本不動産研究所が収益・費用予測や長期修繕計画、再調達価格や減価、解体費などを評価し、鑑定評価書を作成しました。

その結果、わかったメリットは、BIMデータを利用して建物の躯体や設備の数量・性能を分析・集計することで、鑑定評価のバックデータを「見える化」できことです。

また、BIMデータを使って部屋や区画ごとに数量や性能を分析、集計することで、建設費や長期修繕費をきめ細かく算出。各空間の収益性や経済的価値を算出できるのもメリットです。

またBIMデータの部材情報と、建物固有の修繕・更新履歴を活用することで、築年数だけに頼らない、建物固有の価値も考慮できるようになりました。

つまり、これまで中身がわかりにくかった中古物件を、あいまいな説明や値付けではなく、

“正直不動産評価”

することで、売り手が買い手への説明責任を丁寧に果たせることが、BIM活用のメリットと言えるでしょう。

一方、BIMで鑑定評価を行うための課題としては、修繕単価や更新周期をBIMデータの各部材に割り当てる作業に、管理や修繕の知識が要求されることです。

また、今回は初めての取り組みだったため、従来の評価方法に比べて作業コストが増えたという課題もありました。

BIMデータによって、建物各部の価値がガラス張りになることで、これまで過小評価されてきた建物の評価額が上がることも期待できます。

しかし、現在の不動産取引では、BIMで建物管理を行っている物件の事例がほとんどないため、BIMの効果を評価額に反映するのはできないとのことでした。

スターツグループと日本不動産研究所では、今回の共同実験の成果や課題をもとに、BIMデータを建物の投資価値に反映させる方法などを引き続き検討していくとともに、BIM-FM
PLATFORMのカバー領域やメニューの充実を図り、建物オーナーによる活用を進めて行くことを目指していくとのことです。

今後、BIMで維持管理を行ってきた建物が一般よりも高く評価され、実際の取引でも評価額が高くなったという成功事例を積み重ねていくことが大事なようですね。

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