管理人のイエイリです。
鉄道工事は終電から始発までのわずかな時間に作業を行うことが多く、東京の山手線などは3~4時間の間に架線の給電停止から作業、そして撤収・復旧までを行うことが求められます。
作業時間を5分でも長く確保しつつ、作業員や重機などの安全管理もしっかり行わなければいけません。
そこで米国カリフォルニア州サンマテオに本社を置くMODE, Inc.は、東日本旅客鉄道(以下、JR東日本)、JR東日本スタートアップとともに、鉄道の夜間工事を効率的に行う実証実験を、2022年1月~3月に行いました。
この実験では、工事関係者や「軌陸車」と呼ばれる作業用車両にセンサーを取り付け、
ナ、ナ、ナ、ナント、
現場をデジタルツイン化
し、そのデータをリアルタイムに収集したのです。(MODEのプレスリリースはこちら)
この実験はJR浜松町駅の夜間工事現場で行われました。
工事関係者や軌陸車の位置や、工事で使用する保安機器の状況把握には、準天頂衛星対応のGNSSトラッカーを使ってリアルタイムに位置を追跡しました。
また、工事関係者の活動状況やバイタル相関分析には、活動量計測シューズセンサーや超小型温度計測パッチセンサーを使いました。
その結果、現場で働く作業員や車両などの動きをリアルタイムに収集することができました。
そしてデータ分析の結果、作業時間の4時間で1人当たり1万4000歩以上歩くことや、安全確認の注意力が特に必要となる
撤収作業時に歩数が多い
ことがわかりました。
また、作業員にアンケートを採ったところ、80%の人がセンサーを付けることが「負担にならない」と回答しました。
今後は実用化に向けて、GNSSの精度検証のほか、実運用や多用途展開を目標に、地方や夏季の運用、センシング機能の拡張、サービス事業での活用などに取り組んでいくと予定です。
鉄道工事は暗いうちに行われるので、現場に工具などを置き忘れると大変です。機材一つ一つにセンサーを付けて、デジタルツイン管理が行えるようになると短時間で安全が確認でき、正味の作業時間も増えて生産性向上にも役立ちますね。