管理人のイエイリです。
長谷工コーポレーションでは、「長谷工版BIM」を2012年から開発を続け、マンションの設計・施工や販売、さらには維持管理など多方面に活用しています。(詳しくは2014年10月30日付の当ブログ参照)
この長谷工版BIMが、現場最前線の日常業務にも活用されるようになってきたようです。
同社は2022年7月29日に、長谷工版BIMを使って、
ナ、ナ、ナ、ナント、
生コン数量を自動算出
するシステムを開発したことを発表したのです。(長谷工コーポレーションのプレスリリースはこちら)
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフト「Revit」などで作成した設計データ上で、コンクリートを打設する範囲を指定するだけで、コンクリートの数量を自動的に算出することができます。
自動算出には、ビジュアルプログラミングツール「Dynamo」を使用しました。
その結果、建物の基礎など複雑な形状をした部分の数量算出は、従来、手作業で2時間ほどかかっていたのが、30分程度で完了できるようになり、積算業務の効率は約4倍になりました。
また、内装などをきれいに納めるため、柱や壁、梁、床などを大きめに施工する「フカシ」も考慮できるようになっており、実際の施工で使用したコンクリート数量との
誤差は1%未満
を維持しています。
システム化により数量算出のヒューマンエラーがなくなり、「残コン」「戻りコン」などのコンクリート廃棄量の削減にも寄与しています。
同社は、2020年には長谷工版BIMで、プレキャスト(PCa)部材の大きさをトレーラーやクレーンで運搬可能なサイズに自動分割する「超高層PCa梁分割システム」を開発し、分割作業の時間を半減させるなど、施工現場での生産性向上を進めています。(2020年10月15日付の当ブログ参照)
BIMの活用は現場最前線にもじわじわと広がりつつあるようですね。