管理人のイエイリです。
工事現場の施工管理の分野では、現場をデータによって「デジタルツイン(デジタルの双子)」化し、クラウドで共有することで、業務をテレワークできるようにする動きが進んでいます。
しかし、点群やBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)、CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)など重いデータを、様々なデータと共にクラウド上で共有し、関係者間で打ち合わせするとなると、既存のオンライン会議システムでは、なかなか難しい面もありました。
こうした点群、3Dモデルなどのクラウド共有問題を解決するため、DataLabs(本社:東京都中央区)は2022年9月28日、「LinkedViewer(リンクト・ビューアー)」というコミュニケーションツールを発売することになりました。
クラウド上で点群や3Dモデルのほか、CAD図面や工事写真、帳票データなどをクラウド上で共有しながら、
ナ、ナ、ナ、ナント、
チャット会議
が手軽に行えるのです。(DataLabsのプレスリリースはこちら)
国土地理院の地理院タイルなどの各種地図データや、国土交通省の3D都市モデル「PLATEAU」の地形データをベースマップとして、その上に点群データや3Dモデルをレイヤーごとに表示できます。
工事関係者は、ウェブブラウザーによってこのバーチャル現場空間に集まり、「ああだ、こうだ」と、チャットでコミュニケーションできるのです。まさに、“メタバース感覚”の会議になりそうですね。
このほか、面積や距離、土量計算(次期拡張予定)の計算結果や写真と、コメントをまとめた共有リンクを作成できるので、リンクを送られた人はすぐにデータを見て返信したり、データをダウンロードしたりすることができます。
今後、流体シミュレーション結果のアニメーションや
BIM/CIMモデルの可視化
土量計算や4D工程表などの各種機能を順次、開発・リリースしていく予定です。
気になるお値段ですが、1アカウント当たり月額3万9800円で、50GBのデータ容量付き、10人までデータ共有可能です。メールによる運用サポートも付いています。
点群やBIM/CIMモデルをクラウド上で共有できるシステムとしては、既に「KOLC+」などがありますが、Linked Viewerを運営するDataLabsは、流体解析機能や点群の自動3Dモデリングなどの技術も保有しているので、今後の機能拡張が楽しみですね。
このシステムは、2021年12月に国土交通省中部地方整備局が行った「i-Construction を推進するための現場ニーズ・技術シーズのマッチング」で、「現地状況を簡易的に確認できる技術」として採択されたものをもとに開発されました。
国交省のマッチングイベントをきっかけに、スタートアップ企業が開発した新サービスとしても注目されます。