管理人のイエイリです。
福井コンピュータと言えば、建設ソフト会社の老舗として知られ、最近では点群処理ソフト「TREND-POINT」や、点群や3Dモデルを共有できるクラウドサービス「CIMPHONY Plus」など、国土交通省の「i-Construction」施策に沿ったCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)関連の製品・サービスを展開しています。
また、グループ会社には国産BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフト「GLOOBE」などを展開する福井コンピュータアーキテクトなどもあり、日本を代表するBIM/CIMソリューション企業として成長を続けています。
外国製品が幅を利かせるBIM/CIM界にあって、これまで“純日本風”を貫いてきた同社から、2022年10月7日、電撃的なニュースが飛び込んできました。
日本のインフラ分野におけるDX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進するため、
ナ、ナ、ナ、ナント、
ベントレー・システムズ
と国際的、戦略的なパートナーシップを締結したというのです。(福井コンピュータのプレスリリースはこちら)
ベントレー・システムズ(Bentley Systems。本社:米国ペンシルバニア州エクストン)と言えば、老舗BIMソフト「MicroStation」などの開発元として、欧米ではオートデスクに迫る有力BIM/CIMソフトベンダーとして知られています。
そして建設業界などにおけるデジタルツイン(デジタルの双子)の有効性を早くから提唱し、クラウド上に点群やBIM/CIMモデルなどをアップしてデジタルツインを構築できるプラットフォーム「iTwin」を展開しています。(詳しくは、2019年10月22日付けの当ブログを参照)
今回の提携により、福井コンピュータはベントレー・システムズの「iTwinプラットフォーム」を活用して、「CIMPHONY Plus」に3D/4Dの可視化機能やシミュレーション、そしてデジタルツイン機能を追加していきます。
これによって、プロジェクト管理や、設計・施工、維持管理にまたがるインフラのライフサイクル全般をサポートするデジタルソリューションの提供を開始するとのことです。
このほか、道路設計分野に対しては、
TREND ROAD Designer
という全く新しい3D設計ツールを発売する予定です。
これはベントレー・システムズの道路設計ソフト「OpenRoads Designer」を活用したもので、道路の計画、設計から施工、運用までをカバーするものです。
福井コンピュータは、長年、日本の建設市場やワークフローに合った製品を開発してきた点に定評があります。一方、ベントレー・システムズは技術開発力に定評があり、欧米ではオートデスクのライバルとして根強い人気を誇っています。
福井コンピュータとベントレー・システムズが組むことで、“和魂洋才”のBIM/CIM製品が次々と日本市場に投入されてくるのでしょうか。今後の展開から、目が離せなくなりました。