管理人のイエイリです。
電力や鉄道業界などの点検作業では、電柱や電線の長さ、角度などを日常的に計測しています。
これまでは高所作業車などを使い、人間が設備に近づいて点検や計測を行っていたため、計測に人手や時間がかかり、地上での交通規制や警備なども必要でした。
そこで日本電気通信システム(本社:東京都港区。以下、NEC通信システム)は、地上から離れた場所にある物体の長さや、物体間の離隔距離を手軽に測れる「NEC 3次元測量支援ソフトウェア」を製品化し、2022年10月24日に発売しました。
その“測量機器”として使っているのは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
小型LiDARセンサー
とWindows版のタブレットなのです。(NEC通信システムのプレスリリースはこちら)
通常、現場をLiDARで計測した3D点群データは、事務所に持ち帰ってから各部の寸法を測ったりしますが、このシステムはその場で空中の距離や寸法、角度などを算出できることを主眼に開発されています。
そのため、現場で様々な空中の寸法や角度、さらにはたわみ線を描く電線の長さなどを、メジャーのように測ることができるのです
このシステムを使って作業した結果、従来の方法に比べて
作業時間が85%効率化
されたとのことです。
現場を計測した写真や3D点群データはそのまま事務所に持ち帰って、新たな電柱などこれから作るものの3Dモデルを配置して、既存の設備からの距離を確認するシミュレーションも可能です。
気になるお値段ですが、販売価格が200万円(税別)からとなっています。省人化による人件費や作業費、高所作業車などの費用削減を考えると、安いですね。
今後は計測対象物の検出や自動計測、CADシステムとの連携機能、対応する3Dセンサーの拡大などを予定しています。
インフラの維持管理や施工管理などの業務では、LiDARは“空中メジャー”として現場で手軽に使える測量機になりそうですね。