ロボット同士が施工状況を教え合う! テムザックと鹿島が複数のロボットでシステム天井を施工
2023年1月6日

管理人のイエイリです。

ビルの天井工事は、高所で行われるうえ、手作業が中心の労働集約的作業です。そのため、ロボットによる自動化に対する期待は、年々高まっています。

この課題に取り組んできたテムザック(本社:京都市)と鹿島は、ミリ単位の超高精度な施工が可能な「システム天井施工ロボット」をついに開発し、2022年12月12日に現場で公開しました。

その仕組みは、吊りボルトの取り付けや、「Tバー」と呼ばれる天井ボードの枠材、天井ボードのはめ込みの各工程を5種類のロボットが分担し、

ナ、ナ、ナ、ナント、

お互いに指示

し合いながら、チームワーク施工するものなのです。(テムザックのプレスリリースはこちら

取り付け位置や作業完了などをお互いに指示し合いながら施工する「システム天井施工ロボット」(特記以外の写真、資料:テムザック)

取り付け位置や作業完了などをお互いに指示し合いながら施工する「システム天井施工ロボット」(特記以外の写真、資料:テムザック)

各ロボットの作業分担。台車部分は共通の走行ロボットを利用し、上部の作業ユニットは用途に応じて開発する

各ロボットの作業分担。台車部分は共通の走行ロボットを利用し、上部の作業ユニットは用途に応じて開発する

吊りボルトの取り付けやTバーの連結、天井ボードの取り付けなどを、1台のロボットで行えるようにすると、どうしても巨大になってしまいます。

その結果、施工できる場所が限られてしまったり、自分自身が位置計測のじゃまになったりして、なかなか効率的な作業が行えません。

その点、各機能を複数のロボットに分散されることで、小型化でき、取り付け位置の計測時に死角になる部分は、

他のロボットに

教えてもらいながら、スムーズに施工できるのです。

この天井施工ロボットにより、フロア全面足場が不要になるので、天井工事の生産性もぐっと向上しそうですね。

テムザックは、2018年に「Carry」と「Shot」という2台のロボットを開発し、住宅の天井に石こうボードを張る作業を半自動化するなど、ロボットのチームワーク技術に強い企業です。(2018年5月17日付の当ブログを参照

石こうボードを運搬・持ち上げるロボット「Carry」(左)と、ビスで固定するロボット「Shot」(右)のチームワークによる施工風景(写真:積水ハウス)

石こうボードを運搬・持ち上げるロボット「Carry」(左)と、ビスで固定するロボット「Shot」(右)のチームワークによる施工風景(写真:積水ハウス)

また、最近は下水道管きょ内を、日本初の多脚歩行式によって力強く踏査するクモ型調査ロボット「SPD1」も発表しており、こちらも複数台のロボットに機能を分散させ、協力し合う仕組みによってロボットを小型化しています。

下水道管きょ内をチームで調査する、多脚歩行式ロボット「SPD1」

下水道管きょ内をチームで調査する、多脚歩行式ロボット「SPD1」

工事現場では、多種多様なスキルを持った職人さんが混在して働いています。ロボットも同じように、単純な機能のロボット同士や人間とコミュニケーションしながら、チームワークで仕事を進めていく時代に入りつつあるようですね。

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