管理人のイエイリです。
ビルの天井工事は、高所で行われるうえ、手作業が中心の労働集約的作業です。そのため、ロボットによる自動化に対する期待は、年々高まっています。
この課題に取り組んできたテムザック(本社:京都市)と鹿島は、ミリ単位の超高精度な施工が可能な「システム天井施工ロボット」をついに開発し、2022年12月12日に現場で公開しました。
その仕組みは、吊りボルトの取り付けや、「Tバー」と呼ばれる天井ボードの枠材、天井ボードのはめ込みの各工程を5種類のロボットが分担し、
ナ、ナ、ナ、ナント、
お互いに指示
し合いながら、チームワーク施工するものなのです。(テムザックのプレスリリースはこちら)
吊りボルトの取り付けやTバーの連結、天井ボードの取り付けなどを、1台のロボットで行えるようにすると、どうしても巨大になってしまいます。
その結果、施工できる場所が限られてしまったり、自分自身が位置計測のじゃまになったりして、なかなか効率的な作業が行えません。
その点、各機能を複数のロボットに分散されることで、小型化でき、取り付け位置の計測時に死角になる部分は、
他のロボットに
教えてもらいながら、スムーズに施工できるのです。
この天井施工ロボットにより、フロア全面足場が不要になるので、天井工事の生産性もぐっと向上しそうですね。
テムザックは、2018年に「Carry」と「Shot」という2台のロボットを開発し、住宅の天井に石こうボードを張る作業を半自動化するなど、ロボットのチームワーク技術に強い企業です。(2018年5月17日付の当ブログを参照)
また、最近は下水道管きょ内を、日本初の多脚歩行式によって力強く踏査するクモ型調査ロボット「SPD1」も発表しており、こちらも複数台のロボットに機能を分散させ、協力し合う仕組みによってロボットを小型化しています。
工事現場では、多種多様なスキルを持った職人さんが混在して働いています。ロボットも同じように、単純な機能のロボット同士や人間とコミュニケーションしながら、チームワークで仕事を進めていく時代に入りつつあるようですね。