管理人のイエイリです。
建設業界にDX(デジタル・トランスフォーメーション)を巻き起こしそうな企業、Arent(本社:東京都中央区)が、2023年3月28日、東京証券取引所グロース市場に上場しました。
いったい、どんな事業を行っているのかというと、
ナ、ナ、ナ、ナント、
“爆速”で配筋BIM
モデルを自動作成するソフト「LightningBIM 自動配筋」などを開発、販売している会社なのです。(Arentのプレスリリースはこちら)
「LightningBIM 自動配筋」は建設業界で幅広く使われているオートデスクのBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフト「Revit」のアドインソフトとして開発されたものです。
配筋のBIMモデルというと、手元の構造図や鉄筋表を見ながら、BIMソフト上で鉄筋を1本ずつ手作業で入力するというのが、これまでの方法でした。
「LightningBIM 自動配筋」はこうした労働集約型のBIMモデル作成作業を、プログラムによって鉄筋の自動配筋→鉄筋の自動接続・自動定着→干渉の自動回避、という3つのステップで行うもので、手作業を一気に自動化してくれます。
生産性で言うと、約10倍を実現してくれるというわけですね。
その結果、配筋モデル作成の作業時間を90%も削減してくれるのです。(詳しくは、建設ITワールドのサクセスストーリーで)
Arent株の公募・売り出し価格は1株1440円でしたが、上場2日目の3月29日の午後は、
ストップ高
の1783円に張り付き、市場の期待も高くなっています。
Arentの代表取締役を務める鴨林(かもばやし)広軌氏は、京都大学理学部出身ですが、投資顧問会社やファンドマネジャー、システムエンジニアなどを経験し、現職に就任しました。
同社のエンジニアも、建築・土木より理学部出身者が圧倒的に多く、高度な数学的視点から建設DXの実現に取り組んでいます。
株式市場からは建設業は“オールドエコノミー”と見られがちですが、画期的な生産性向上を実現するBIMソリューションを引っ提げて上場した新たな“爆速BIM銘柄”は、この常識を打ち破ってくれるのでしょうか。今後の成り行きに期待したいですね。