管理人のイエイリです。
竹中工務店が施工を担当する名古屋の、とある建設現場では、遠隔での巡視を行っています。人手不足が深刻化する中、来年からは残業規制が強化される「2024年問題」も控えています。
限られた人数で、短時間に現場を管理していくためには、移動のムダが少ない遠隔での巡視は“特効薬”と言っても過言ではありません。
上の写真は、遠隔巡視を担当する担当者ですが、よく見ると両手でゲームコントローラーのようなものを操作しているのがわかります。
遠隔監視の目となっているのは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
現場巡回ロボット
だったのです。(センシンロボティクスのプレスリリースはこちら)
ロボットによる現場の遠隔巡視に使われているのは、センシンロボティクス(本社:東京都品川区)と竹中工務店が共同開発した、UGV(無人地上ロボット)遠隔操作システム「RemoteBase」です。
UGVは「数時間レベルの連続稼働」「様々なデバイスが搭載可能」「導入が簡単」などのメリットがあるため、現場での様々な業務への活用が期待されています。
半面、UGVの種類や機能が増えると、機体ごとに遠隔操作システムが乱立し、異なる操作方法をマスターする必要が出てくるという問題も予想されます。
「RemoteBase」はこれらの問題を先取りし、パソコンに接続したゲームコントローラーを使い、同じ操作方法によって
様々なUGV
の遠隔操作ができるようになっています。
現在は、カナダのCLEARPATH ROBOTICS社製のUGV「JACKAL」に対応しています。このほか、ロボット開発用のオープンソフトウエア「ROS – Robot Operating System」を利用しているロボットであれば連携できます。
今後は、中国のAgileX Robotics社製UGV 「Scout mini」や「Bunker mini」も現場導入を予定しています。
現場の遠隔巡視にはドローン(無人機)なども使われています。一方、UGVは地に足がついているので、高品質の写真撮影やLiDAR計測などにも向いており、工具などを届けるといった雑用にも使いやすいです。
一人で複数のドローンやUGVを遠隔操作し、短時間に広い範囲の現場巡視を、繰り返し行うこともできるようになりそうですね。巡視の生産性向上とともに、きめの細かい対応による品質向上も実現できるのではないでしょうか。