管理人のイエイリです。
「Shade3D」と言えば、1986年に製品化された3Dデザインソフトの草分けとして知られ、モデリングからレンダリング、アニメーション、さらには3Dプリンターによる造形まで、このソフト1本で行えます。
2018年、土木分野に強いフォーラムエイト(本社:東京都港区)はShade3Dを買収し、以後も機能を追加し、バージョンアップを行ってきました。
そして、2023年7月31日にリリースされた、最新版の「Shade3D Ver.24」には、
ナ、ナ、ナ、ナント、
道路や地形のLandXML
データを入出力する機能が搭載されたのです。(フォーラムエイトのプレスリリースはこちら)
上の図は、同社の土木用VRソフト「UC-win/Road」で作成した道路線形や地形のデータをLandXMLで書き出し、Shade3Dに読み込んだものです。Shade3Dからも道路線形の平面線形情報をLandXMLにエクスポートできるようになりました。
Shade3Dの用途は、メガネやイスなどの製品や、建築のCGパースやインテリアデザインといった「プロダクト」や「アート」の分野をイメージしがちでしたが、ついに大規模な土木分野まで広がってきたのかと、フォーラムエイトの“魔改造”ぶりには驚かされますね。
実はShade3Dの土木機能は最近、少しずつ追加されてきました。2つ前の「Ver.22」では、「BIM/CIM設計照査ツール」や「IFC入出力、編集機能」が強化されました。
さらには、国土交通省の3D都市モデル「PLATEAU」のFBXデータを取り込む「FBX 2020形式の読み込み」機能も追加されたのです。
そして、最新版のVer.24ではこのほか、
メタバース対応機能
も充実しました。
メタバースとは、クラウド上に設けられたVR(バーチャルリアリティー)に、オンラインで遠隔地の人々が「アバター」という分身になって集まり、会議やコミュニケーションが行える場です。
そのアバターの骨格となる「ヒューマノイドボーン」構造のセットを、一括で生成できるものです。
このほか樹木や機器などの3Dデータの面数(ポリゴン)を大幅に減らして軽量化する「ボックスモデル変換ツール」が搭載されたほか、「glTF」形式で受け渡しできるデータの種類も強化されました。
気になるお値段ですがサブスクリプション制になっており、最上位の「Shade3D Professional Ver.24」は初年度9万8000円(税別)、2年目以降は3万9200円と、かなりリーズナブルです。
土木分野の人も、LandXMLやPLATEAUのモデルを扱ったり、ちょっとした構造物の3Dモデルを作ったりするのに重宝しそうですね。