ライカジオシステムズが地中レーダーを発売! MMSとの併用で地上と地下の3Dスキャンを合体
2023年9月11日

管理人のイエイリです。

大手測量機器メーカー、ライカジオシステムズは、3Dレーザースキャナー関連の幅広い商品ラインアップを誇っています。その一つが、車両に3Dスキャナーを搭載して走行しながら周囲を3D点群計測する「MMS(モービル・マッピング・システム)」です。

通常のクルマに積んで道路周辺を計測するものから、なかには戦車のような台車に積んで荒れ地を計測するシステム(2016年6月27日の当ブログ参照)もあります。

同社はこのほど、そのラインアップにグループ企業、IDS GeoRadar社の「Stream Up」という製品を投入し、2023年9月7日に発売しました。MMSのようにクルマの上部ではなく、後ろに取り付けるものです。

クルマの後ろに取り付ける「Stream Up」。2人で約15分で組み立てられる(以下の写真、資料:ライカジオシステムズ)

クルマの後ろに取り付ける「Stream Up」。2人で約15分で組み立てられる(以下の写真、資料:ライカジオシステムズ)

この機器は、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

地下の埋設インフラ

 

を高速に3Dスキャンする、車載式地中レーダーなのです。(ライカジオシステムズのプレスリリースはこちら

「Stream Up」による埋設インフラ調査のイメージ

「Stream Up」による埋設インフラ調査のイメージ

機器の中には地中に向けて水平、垂直の偏波による電波を送受信するアンテナが合計29チャンネル分搭載されており、時速60kmで走行しながら地中の配管や空洞などをスキャンし、位置や大きさなどを計測します。

そのデータはGNSSやINS(慣性航法システム)の位置情報とひもづけて記録されるとともに、車内のモニターにリアルタイム表示されます。

道路などを走行しながら計測するイメージ

道路などを走行しながら計測するイメージ

走行中の写真を見ると、機器が路面すれすれの高さに設置されているので、凸凹があったときにぶつからないか心配ですが、衝突防止機構を備えているので、「バンプ」などがあっても安心です。

バンプなどを乗り越える衝突防止装置がついている

バンプなどを乗り越える衝突防止装置がついている

そして、何より便利なのは、モービルマッピングシステム「Leica Pegasusシリーズ」と接続し、同時に使用することで、

 

地上と地下が一体化

 

した3Dスキャンとモデリングを行うことができるのです。

モービルマッピングシステム「Leica Pegasusシリーズ」と同時に使用すると、地上と地下を一体化した3Dスキャンが行える

モービルマッピングシステム「Leica Pegasusシリーズ」と同時に使用すると、地上と地下を一体化した3Dスキャンが行える

地上と地下が一体化したスキャンデータがあれば、埋設インフラの管理も楽になりそうだ

地上と地下が一体化したスキャンデータがあれば、埋設インフラの管理も楽になりそうだ

地下埋設物の位置は、地上の道路や縁石、マンホールなどを手掛かりにしないとなかなかわかりません。その点、地上と地下が一体化した点群データや3Dモデルがあると、埋設インフラの維持管理も効率的に行えそうですね。2024年問題の解決にも貢献しそうです。

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