管理人のイエイリです。
大手測量機器メーカー、ライカジオシステムズは、3Dレーザースキャナー関連の幅広い商品ラインアップを誇っています。その一つが、車両に3Dスキャナーを搭載して走行しながら周囲を3D点群計測する「MMS(モービル・マッピング・システム)」です。
通常のクルマに積んで道路周辺を計測するものから、なかには戦車のような台車に積んで荒れ地を計測するシステム(2016年6月27日の当ブログ参照)もあります。
同社はこのほど、そのラインアップにグループ企業、IDS GeoRadar社の「Stream Up」という製品を投入し、2023年9月7日に発売しました。MMSのようにクルマの上部ではなく、後ろに取り付けるものです。
この機器は、
ナ、ナ、ナ、ナント、
地下の埋設インフラ
を高速に3Dスキャンする、車載式地中レーダーなのです。(ライカジオシステムズのプレスリリースはこちら)
機器の中には地中に向けて水平、垂直の偏波による電波を送受信するアンテナが合計29チャンネル分搭載されており、時速60kmで走行しながら地中の配管や空洞などをスキャンし、位置や大きさなどを計測します。
そのデータはGNSSやINS(慣性航法システム)の位置情報とひもづけて記録されるとともに、車内のモニターにリアルタイム表示されます。
走行中の写真を見ると、機器が路面すれすれの高さに設置されているので、凸凹があったときにぶつからないか心配ですが、衝突防止機構を備えているので、「バンプ」などがあっても安心です。
そして、何より便利なのは、モービルマッピングシステム「Leica Pegasusシリーズ」と接続し、同時に使用することで、
地上と地下が一体化
した3Dスキャンとモデリングを行うことができるのです。
地下埋設物の位置は、地上の道路や縁石、マンホールなどを手掛かりにしないとなかなかわかりません。その点、地上と地下が一体化した点群データや3Dモデルがあると、埋設インフラの維持管理も効率的に行えそうですね。2024年問題の解決にも貢献しそうです。