アイ・ロボティクスがガス検知ドローンを開発! “現代のカナリア”として酸欠事故を未然に防ぐ
2023年11月24日

管理人のイエイリです。

アイ・ロボティクス(本社:東京都渋⾕区)は、超小型ドローンによる狭い場所の調査(2020年2月7日の当ブログ参照)や、大型ドローンを使った塗装や高圧洗浄(2022年6月10日の当ブログ参照)など、幅広いドローン事業を手掛けています。

同社はこのほど、光洋機械産業(本社:大阪市中央区)の協力を得て、GNSS(全地球測位システム)が使えない閉鎖空間用に、新たなドローンを開発しました。

閉鎖空間用に開発されたドローン(特記以外の写真、資料:アイ・ロボティクス)

閉鎖空間用に開発されたドローン(特記以外の写真、資料:アイ・ロボティクス)

上の写真を見ると、大きさは250×250×200mmと、大き目の折り詰め弁当くらいです。ドローンによる空撮でよく使われている小型カメラ「GoPro Hero」を搭載していますが、レンズが逆向きに取り付けられているようです。

しかし、これは間違いではなく、ドローンが撮影するのは、

ナ、ナ、ナ、ナント、

高性能ガス検知器

のモニター画面だったのです。(アイ・ロボティクスのプレスリリースはこちら

カメラに向かい合うように搭載された高性能ガス検知器「GX-3R Pro」(写真:理研計器)

カメラに向かい合うように搭載された高性能ガス検知器「GX-3R Pro」(写真:理研計器)

ドローンに搭載されたのは、理研計器(本社:東京都板橋区)が開発した国内初のBluetooth搭載ガス検知器「GX-3R Pro」で、炭化水素やメタン、二酸化炭素、二酸化硫黄、酸素などの濃度を計測できるものです。

地下ピットなどの閉鎖空間での作業を行う前に、このドローンを飛ばすと、カメラがガス検知器の画面をリアルタイムで送ってくれます。そこで、酸素濃度や有害ガスなどの存在を事前に確認し、酸素欠乏症などを未然に防ぐことができます。

地下ピットに向けて、ガス検知ドローンを発進させるイメージ

地下ピットに向けて、ガス検知ドローンを発進させるイメージ

地下ピット内をデモンストレーション飛行するドローンと、ドローンから送られてきたガス検知器画面の映像(右上ワイプ)

地下ピット内をデモンストレーション飛行するドローンと、ドローンから送られてきたガス検知器画面の映像(右上ワイプ)

1980年代まで炭鉱などでは、酸欠事故防止のため、カナリアを入れた小さな鳥かごを鉱夫たちが持ち歩き、ガス検知器として使っていました。

このドローンは、

“現代のカナリア”

として、作業員の安全を守ってくれる存在と言えそうですね。

センサーを変えれば、放射能やPM2.5なども計測できるそうです。

アイ・ロボティクスは、2023年11月30~12月1日に、同社の研究施設である「ドローンフィールドKawachi」(茨城県稲敷郡河内町)で、「第2回ドローン自動化・遠隔化デモ&ショーケース」を開催し、この「ガス検知ドローン」や最新のドローンポートなどを展示します。

参加には事前登録が必要です。ご興味のある方はこちらのサイトから、お申し込みください。

展示システムの例

展示システムの例

茨城県川内町の利根川沿いにある「ドローンフィールドKawachi」。廃校を利用している(写真:家入龍太)

茨城県川内町の利根川沿いにある「ドローンフィールドKawachi」。廃校を利用している(写真:家入龍太)

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