かつて、オーディオというと部屋に「オンキヨー」や「パイオニア」といった一流メーカーのコンポシステムを置き、大きなスピーカーで重厚感あふれる音を心静かに楽しむことが一般的でした。
しかし時代は移り変わり、今や音楽はスマートフォンとワイヤレスイヤホンなど“軽薄短小”なものが主流になってきました。
パイオニアのオーディオ部門も、いつのまにかオンキヨーの傘下に入り、「オンキヨー&パイオニア株式会社」になっています。
もはや、あの本格的なオーディオは、一部の愛好家たちの世界になってしまったのかと思いきや、驚くべきニュースが飛び込んできました。
ナ、ナ、ナ、ナント、
オンキヨー 一級建築士事務所
が設立されたのです。(オンキヨー一級建築士事務所のウェブサイトはこちら)
上の写真は、本格的なオーディオシステムを組み込んだ住宅の例ですが、以前のオーディオでは主役だったアンプやスピーカーなどは「いったい、どこにあるの」と思うくらい目立ちません。
それもそのはず、同事務所の目的は、オーディオ環境を建物の中に「カスタムインストール」することだからです。つまり、これらのオーディオ機器を、建物の一部として溶け込ませるデザインを目指しているのです。
ではどんな機器で構成されているのかを、同事務所のウェブサイトのプランで見てみましょう。
ポイントはスピーカーに「インシーリングスピーカー」を使い、ステレオ感を出しながらも目立たなくしたことですね。値段も数十万~100万円台のものが主流です。
子どもが独立した中高年の夫婦が自宅をリフォームする際に、昔を思い出して本格的なオーディオを「インストール」する場合も、十分、手が届く価格ではないでしょうか。
以前のオーディオでは、レコードプレーヤーCDプレーヤー、FMチューナー、アンプなどがありましたが、現代のオーディオでその役目を果たすのは、
AVレシーバー
というネットワーク機器です。
音の信号をスピーカーから出すのが役目なのに、なぜ「レシーバー」と言うのかが不思議でしたが、そこには現代の音源事情がありました。
例えば上記の「TX-NR727」型の場合は、スマートフォンとBluetoothで接続してスマホに入っている音楽を受信して、スピーカーに流します。
このほか、Wi-Fiルーターを通じて様々なインターネットラジオサービスに接続することで、地上波や世界中のラジオ放送、自分好みの音楽ストリーミングも受信できるのです。
もはや音楽はクラウドから調達する時代になってきたことを実感しますね。
もちろん、ブルーレイやDVDなどのプレーヤーを接続して、多チャンネルのサラウンド音声を再生することも可能です。
ホームシアターなどで映画の爆発音などをリアルに再生するためには、アンプの瞬発力も備えています。
オンキヨーやパイオニアの本格的なオーディオを、建物にインストールして日々の生活の中で楽しみたいですね。