管理人のイエイリです。
三菱電機は、クルマで走行しながら路面や街路などの3Dで計測する「モービルマッピングシステム(以下、MMS)」の技術で定評があります。
車両にGPSアンテナやレーザースキャナー、カメラなどの機器を搭載し、一般車両と通常走行しながら、道路周辺の3Dレーザー点群データを高精度かつスピーディーに取得するシステムです。
この三菱のMMSに、最近、2つの進化がありました。その1つは、クルマで走行すると同時に、
ナ、ナ、ナ、ナント、
を作成する機能が開発されたことです。
これまでのMMSは、現場で計測した点群データを後でGPS位置補正情報と組み合わせる事後処理が必要だったため、計測結果を現場ですぐに確認できませんでした。
そのため、後でデータの不具合に気づいた時には、計測をやり直すという手戻りもありました。
それがリアルタイム化によって点群データをその場で見られるようになったため、現場で迅速に対応できるようになったのです。また、活用分野も広がりました。
●リアルタイム化によって広がった活用分野
測量 | 現場での状況判断、測量業務の効率化 |
災害対策 | 災害現場や被害状況の即時計測、救助活動や復旧活動の早期展開支援 |
警備・監視 | 定時パトロール結果の即時把握、不審物の即時発見 |
社会インフラ管理 | 現場での即時目視確認、変状個所の即時マーキング |
ITS | 3次元基盤地図整備への対応 |
もう1つの進化は、道路や鉄道などの社会インフラの維持管理機能に特化した「三菱インフラモニタリングシステム(MMSD)」の開発です。
これまでの3Dレーザー計測に加えて
壁面用高精細カメラ
による高精細画像などを使用し、トンネル内の構造物の変化状況を高精度に識別できます。
トンネル覆工面や路面の変状解析作業を自動化し、作業時間を短縮することができます。
このほか、鉄道車両に搭載して、構造物や設備の微小な経年変化を把握したり、建築限界を確認したりすることが機能です。また、鉄道の運行制御用に線路内に設置された「地上子」などの設置状況も正確に計測できます。
GPS衛星の電波が受信できない地下でも計測できるので、計測点検業務は大幅に効率化できそうですね。
いよいよ、社会インフラの維持管理は、本格的なIT活用時代に入ってきたようです。
三菱インフラモニタリングシステムは、7月22日~24日まで東京ビッグサイトで開催される「第7回インフラ検査・維持管理展」に出展されます。ご興味のある方はご覧ください。