管理人のイエイリです。
航空機の管制センターには、多くのレーダー画面に時々刻々と変わる飛行機の位置や高度、便名などが表示され、安全運行を管理しています。
日本キャタピラーは、その建機版のような「コンディションモニタリングセンター」を11月25日に同社の秩父ビジターセンター(埼玉県秩父市)にオープンさせました。
レーダーの代わりに衛星や携帯のネットワークを使い、稼働中の重機に関する様々なデータを収集し、集約。一元管理と分析を行うことで、突発的な故障防止などを未然に防ぐものです。
建機ディーラーが稼働中の建機を1つの場所で一元的にモニタリングできる設備を設けたのは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
日本で初めて
なのです。
センターは7.5坪の面積に、大小12台のモニターがずらりと並び、4人の従業員が建機の監視に当たっています。
稼働中の建機からは、建機の各部に設置されたセンサーで計測されたデータを車載コンピューターに集約し、必要なデータを携帯電話などによってリアルタイムにセンターに送ります。
送信されるデータ稼働時間や場所、不具合情報などで、データの送受信は同社の建機用通信システム「Cat Product Link」などによって行います。
コンディションモニタリングセンターの機能を紹介するビデオ
センターでは
“建機の血液”
とも言えるオイルを定期的に分析する「SOS分析」を行います。この分析で不具合の兆候をいち早く発見し、ユーザーに必要な対応をアドバイスします。
建機のコンディションを把握するため、オリジナル点検を行う「インスペクション」という機能もあります。
納車以来、実施されてきた修理点検の履歴情報は建機ごとに「修理歴データ」として収集・分析します。
このほか、建機の稼働現場の情報を客観的に評価し、現場の改善活動を支援する「サイトコンディション」という機能もあります。
これまではメンテナンス技術者がユーザーのもとで稼働中の建機を1台1台、訪問してチェックしていたデータが、通信ネットワークでリアルタイムに見られるようになると、メンテナンスも効率的になりますね。そして異常があった場合には、迅速な対応が可能になりそうです。