国を丸ごとBIM化!バーチャル・シンガポール計画が進行中
2016年1月29日

管理人のイエイリです。

シンガポールでは2015年から5000m2超の建物の建築確認申請を行うときに、意匠、構造、設備のBIMモデル提出が義務づけられています。

こうしたお国柄を反映して今、「バーチャル・シンガポール(Virtual Singapore)」という巨大3Dプロジェクトが着々と進んでいます。

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

国全体をBIM化

 

して、官民で広く使おうというものなのです。

「バーチャル・シンガポール」プロジェクトで作られた3Dの街並み(以下の資料:NRF)

「バーチャル・シンガポール」プロジェクトで作られた3Dの街並み(以下の資料:NRF)

高速道路のような細かいところまで再現されている

高速道路のような細かいところまで再現されている

バーチャル・シンガポールは国家研究財団(NRF)が中心となり、シンガポール土地庁(SLA)と情報通信開発庁(IDA)とともに開発しているもので、その予算は7300万シンガポールドル(約60億円)という巨大なプロジェクトです。

シンガポールの国土全体を、バーチャルな3Dモデルにすることにより、産学官民が様々な目的に使えるようにすることを目指しています。

例えばビルのBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を置いてファサードの材質やデザインなどの検討や街並み全体の通風シミュレーション、バスケットボールコートなどの計画といった建設関係の活用がまず、考えられます。

また、携帯電話の電波の伝搬解析、災害が発生したときの避難・救出シミュレーション、自動車交通や歩行者移動の検討にも使えます。

このほか、ピル内部のフロアを表示して、車イスで通れるルートを案内したり、認知症の高齢者が街のどこにいるのかを探したり、さらには迷子になったペットの居場所を突き止めたりと、無限の活用方法が想定されています。

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パッと見たところは、グーグル・アースやバーチャル・アースに似ていますが、ポイントは

 

属性情報を持った3Dモデル

 

ということです。

例えば、あるビルをクリックするとビルの番地だけでなく、ビルの材質や換気方式、直射日光が当たる日照時間などが出てきます。

外構では駐車場の台数や木の本数まで、瞬時に表示することもできます。

また、建物の周囲を選んでクリックすると周長や建築面積、高さなどもモデル上で計算できます。

ビルの材質や日照時間などを表示

ビルの材質や日照時間などを表示

駐車場の台数や木の本数までも瞬時に表示

駐車場の台数や木の本数までも瞬時に表示

周長や建築面積なども計算できる

周長や建築面積なども計算できる

システムには、ダッソー・システムズのものを使っているようです。

さすがBIMの先進国であるシンガポールならではのプロジェクトですね。このプロジェクトは2017年に完成する予定とのことです。

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