管理人のイエイリです。
ダム工事は建設する構造物が巨大なだけでなく、コンクリート用骨材の採取や生コンクリートの製造、現場での打設と、作業現場が広い範囲に分散しています。
そして、工事のスピードに合わせて、各現場の生産量を同期させたり、適切なタイミングで品質管理を行ったりと、一糸乱れぬ協調作業が求められます。
そこで大成建設は、ダム工事の各作業現場のデータを自動収集し、クラウドサーバー上にあるダムのCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)モデルにひも付けて一元管理する「T-CIM/Dam」を構築し、施工現場での活用を開始しました。
集約されるデータは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
7つの管理システム
から送られてくるのです。(大成建設のプレスリリースはこちら)
その内容は、(1)切土管理システム、(2)骨材生産管理システム、(3)材料運搬管理システム、(4)堤体打設管理システム、(5)品質管理統合システム、(6)グラウト管理システム、(7)計測管理システム
です。
例えば、切土管理システムでは岩質と位置をGPS(全地球測位システム)で記録して、「地質マップ」を自動的に作成します。また材料運搬管理システムでは、ICタグを使って材料の誤投入を防止し、堤体打設管理システムでは自律型ブルドーザーや運搬機械の動きを把握します。
つまり、ダム工事の
サプライチェーン
マネジメントを、CIMモデルで行おうというわけですね。
工事関係者や発注者は、これらのデータをリアルタイムに共有することで、効率的な施工や品質管理が可能になります。
今後はT-CIM/Damのデータを維持管理用のCIMモデルと連携させて、完成後にも活用できるように、機能拡張を進めていく予定です。
おそらく、現場の技術者はタブレット端末などがあれば、ダム工事の現場が今、どのように動いているのかを一目瞭然に見られるようになるのでしょうね。
こうしたシステムがあれば、工事の進ちょくや各現場の動きについての報告や周知を行うための会議は必要なくなりそうです。「会議はコスト」という認識が高まりつつある今、CIMによるリアルタイムな情報共有は現場の生産性向上にさらなる効果をもたらしそうですね。