管理人のイエイリです。
建機レンタル会社のカナモト(本社:札幌市中央区)は、一般のバックホーなどに搭乗させるだけで遠隔地からの操縦を可能にする人間形ロボット「KanaRobo」を展開しています。以前は「DOKA ROBO3」と呼ばれていたものです。(詳細は、2017年7月26日付けの当ブログ記事を参照)
KanaRoboには様々なコントローラーが開発されており、卓上プロポ型や実際の建機を模したコックピット型コントローラーなどが提供されていました。
しかし、施工のリアリティーを求めるユーザーからは、コントローラーに対して、さらに熱い要望が寄せられていました。
その声に応え、ソフトバンクグループでロボット・ソフトウエア事業を行うアスラテック(本社:東京都千代田区)はKanaRobo用の体感型コックピットコントローラーの開発に協力しました。
ナ、ナ、ナ、ナント、
掘削時の振動や衝撃
まで、現場から“実況中継”されるのです。
現場で作業を行う建設機械には3軸ジャイロセンサーが搭載されており、その信号がコントローラーに送られてきます。
一方、コントローラーには、座席の下に3軸のシリンダーが取り付けられており、受信した信号に従って上下の振動や前後・左右への傾きを再現するというわけです。
現場からの映像や音のほか、振動などをシートから体感することで、人間の五感(視・聴・嗅・味・蝕)のうち、視覚、聴覚に加えて
おしりや背中への触覚
も生かした操縦ができるというわけですね。
今回の開発によって、遠隔操縦を行うオペレーターは見えないところに埋設管があった場合、振動などで「バケットに何かが当たった」と感じることができので、未然に破損事故などを防ぎやすくなりそうです。
通信界では2020年にサービス開始が予定されている次世代モバイル通信システム「5G」が話題を集めています。高速で大容量なので通信の遅れがほとんどなく、建機の制御にも向いているので建設業界でも様々な実験が進んでいるようです。
5Gが使われ出したら、こんな体感型コントローラーを備えたビルにオペレーターが出勤し、そこから全国各地の現場のバックホーを遠隔操縦する“働き方改革”の時代がやってくるのかもしれませんね。